コロナ禍で「棚ぼたイノベーター」となったZoom 「イノベーションは技術革新ではない」意外な訳

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事例とともに、イノベーションの本質を解説していきます(写真:Sergey Nivens/PIXTA)
累計20万部突破のロングセラー『仮説思考』の著者、内田和成氏は「世界の有力コンサルタント25人」に選出されたこともあるコンサルタントだ。20年以上ボストン コンサルティング グループ(BCG)に在籍した後、2022年3月まで早稲田大学教授を務めた。
早稲田大学時代最後の書籍となるのが『イノベーションの競争戦略』。内田氏のゼミ生と一緒に行ってきた研究会の成果だ。そこで明かされたイノベーションの本質は意外なものだった。「画期的な発明やサービスは必要条件ではない」「人々の行動を変えるのがイノベーション」ということ。今回は事例とともに、イノベーションの本質を解説していく。

「画期的」は必要条件ではない

『イノベーションの競争戦略』(書影をクリックすると、アマゾンのサイトにジャンプします。紙版はこちら、電子版はこちら。楽天サイトの紙版はこちら、電子版はこちら

日本企業でなぜイノベーションが生まれないのかという議論が盛んに行われているが、私自身はその論点に違和感を感じていた。というのも、ほとんどの議論が「なぜ画期的なアイデアが生まれないのか」「それがどうしてビジネスとして育たないのか」に終始しているからだ。

その原因を日本の教育の問題である、あるいは、出る杭は打たれる日本の文化にある、さらには企業の組織のあり方や評価システムにあるなどとしている。

しかしながら、長年日本企業のコンサルティングを行い、加えていくつものビジネスの成功事例と失敗事例を調べる中で、本質はそんなところにないと感じていた。

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