親の“修造力”が子のやる気に火をつける

「自分すげー」と思っている子ほど合格する

当然、私も例外ではありません。肯定×肯定は肯定、という具合に両親の肯定を掛け合わされて育ってまいりました。本連載を毎回ご覧くださっている方なら、薄々お気づきかもしれません(笑)。

では具体的に、どんなふうに肯定されてきたのか。少しエピソードをご紹介します。開成受験の直前期、母親に言われたセリフが印象的です。

「あなたなら、ちょっと失敗しても真ん中くらいで受かるわよ」

人生初の受験、当然私も「落ちたらどうしよう」と不安になりました。それを必死に隠しながら、冗談めかして「中学全部落ちたらどうしよう」と言ったのに対し、母が言った言葉です。これは子どもながらに非常に嬉しかった。「落ちたらあんたは落ちこぼれよ」とか「うまくやらないと受からないから全力出し切りなさい」といったプレッシャーのかかることは、当時一言も言われた覚えがありません。

自己肯定 = 勉強の継続

また、大学受験期には、父親に「たいしたもんだ」とよく言われたことを覚えています。毎日帰りが遅かった父親は、模試や学校の成績など細かくは把握していなかったと思います。ただ、なにかよいことを報告すると、しきりに「たいしたもんだ」と言っていました。息子を信頼しているという感じがその一言から伝わってきて、自然とモチベーションがアップしたものです。

「そらあんたは成績よかったからそう言われたんでしょうよ」という声が聞こえてきそうです。しかし、私以外の周囲の人を見ても、この自己肯定感は共通しているのです。「最終的に合格しているから自己肯定感を醸成できた」というよりは、「自己肯定感が強いから勉強を続けられ、能力をアップし続けることができたから合格できた」というほうが事実だと思います。

特に、浪人生は一度「現役不合格」という事実を突きつけられていますので、自己肯定感を持ちにくい状態です。そんなときに親が「お前の勉強は効率悪いからこうやって効率よく勉強しろ」と言っても、のれんに腕押し、豆腐にかすがい、浪人生に勉強法。意味のないことです。

親ができることは子どもを信頼し、結果について一緒に信じてあげること、そしてそれを松岡修造さんのごとく、はっきり態度や言葉に表すことです。予備校が北風なら、家族は太陽。遠回りなようですが、塾をみつけてきて押し付けたり、よさそうな本を買って机に置いたりするよりも、“修造力”で熱く包み込み、努力を評価してあげるほうがずっと効果的です。

次回の試験で、ご質問者様のお子様にいい結果が出ますように。初詣のお願い事項に加えておきましたので大丈夫です! それではまた次回。アディオース!

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