応募者10万人を採用者1000人に絞り込む--デルタ航空の低コスト採用法とは?
米運輸省(Department of Transportation)の2010年12月20日の発表によると、米国航空会社の業績が好調だ。アメリカン航空やデルタ航空などが属するメジャー航空会社全体では2010年第3四半期の営業利益が10.5%伸びた。格安航空会社全体では増益率11%だった。
米国航空会社の特徴は手荷物預け料、予約変更料、機内でのサンドイッチ、アルコール飲料などの販売で収益を稼いでいることだ。特にデルタ航空は、こうした発券以外のサービス収入が6億9300万ドルに達した。
デルタ航空は700機以上の飛行機で、年間1億6000万人の搭乗者を運んでいる。7万5000人の従業員が世界の空を飛ぶ機内で大いに活躍し、収益の拡大に貢献したということなのだろう。
東洋経済オンラインHRでは、デルタ航空が10年秋から行った人事採用について取材した。
デルタ航空は、米国内路線、太平洋路線、大西洋路線、南米・カリブ諸島他の路線を持つが、利用者の話を聞くと、最近の機内サービスの評判はあまり芳しくない。
「アルコール飲料が有料で、米国内線ではトランク1個につき28ドルも取られる。02年ごろはサービスが良かったのに」と某日系企業のエグゼクティブは言う。「05年の経営危機で、客への気遣いがなくなった」という声もある。
ネット上のあるランキング調査では、顧客満足度が航空会社27社のうち25位だった。デルタ航空としては機内サービスを向上させて、さらに利益を増やしたい。
キャビンアテンダント(CA)の機内での売り上げが収益増に大いに貢献しているとなれば、人員増でサービス向上を目指すのは、当然の流れだ。