電気防食工法で先行する住友大阪セメントの狙い

電気防食工法で先行する住友大阪セメントの狙い

日本のセメント需要は過去20年間で半減。2010年は、セメント業界が数年前に下限と想定していた年間5000万トンを割り込み、4000万トンになる見込みだ。

「セメント事業は、産業廃棄物を原燃料にしてリサイクルする産業廃棄物処理事業を除くと実質赤字。内需が伸びることはもはや期待できず、合理化と値上げで実質黒字にしたい。その利益を原資に中国などで海外事業を拡大する」--。業界3位、住友大阪セメントの渡邊穰社長(11年1月1日で取締役相談役に退任予定)は今後の戦略を語る。

同社は10年度上期に大手他社と歩調を合わせて、セメント生産設備の前工程を改造することで25%の能力削減を実施した。その結果、設備の稼働率は90%台に上昇したが、石炭など原料高を転嫁する製品値上げは思うように進んでいない。

産業廃棄物処理も「出口」のセメント生産が増えないことには伸ばせない。厳しい事業環境下、海外進出と並行して国内で進めているのが、セメント以外の建材、光電子・新材料の拡大と事業の高度化だ。

中でも力を入れているのが、建材事業に属する橋梁、埠頭など鉄筋コンクリート構造物の高齢化対策=長寿命化事業である。鉄筋コンクリート構造物は100年持つとされているが、実際には施工不良によるひび割れ、生コン原料の骨材不良(海砂などの使用)などが原因となり、鉄筋のさびが進行し劣化。多くが50~60年しか持たないのが現実だ。

特に塩分を含んだ風や海水が当たる沿岸部や、冬季に塩分を含んだ融雪剤をまく寒冷地の道路や橋梁は、劣化が進みやすい。日本では高度成長期に多くの社会資本が整備されたが、高齢化の時期を迎えている。厳しい財政状況下、このままでは既存の社会資本の更新すら困難になることも予想される。このため国土交通省、総務省は橋梁の高齢化に対応した適切な維持管理投資を行い、長寿命化を促進する方針である。

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