実は富裕国バングラデシュ--駐在員の安全を確保しながら進出が可能
ファーストリテイリングが生産を開始するなど、最近バングラデシュが注目されることが多くなってきた。しかし、日本企業にとってバングラデシュは未知の国であり、駐在員を送るにあたってもわからないことが多い。
そこで、先日バングラデシュから帰国したばかりの、須貝信一ネクストマーケット・リサーチ代表取締役にバングラデシュ事情についてインタビューした。同社はインド、バングラデシュなど南アジアの企業・金融・経済情報の提供のほか、進出支援コンサルティングなどを行っている。
■貧困のイメージが先行しすぎている
--最近、バングラデシュが次世代新興国として注目されてきています。先日は、ハシナ首相の来日などで話題になりましたが、今後、日本企業の進出拡大が予想される国です。
そこで今回はバングラデシュ進出を検討する日本企業の人事部が知っておくべきことについてお伺いします。まずバングラデシュという国について、そして駐在員の生活インフラなどについて教えてください。
一般的イメージとしては最貧国、繊維業、マイクロクレジット、BOPビジネス、といったキーワードが浮かびますが、どうなのでしょうか?
そうですね。「富裕国」です。と、あえて言ってみたいと思います。例えば、私の主観ですが走っている自動車の95%以上は日本車です。しかもほとんどセダンです。トヨタが多く、なかでもカローラが多い。ダッカを走っている車の3割くらいがカローラなのではないかと思うくらい多いです。
新興国にありがちな中古ばかりというわけではありません。日本車の流通は新車輸入と中古の両方です。渋滞になると、セダンとトラックとバスとサイクルリクシャが並ぶ感じでしょうか。バスはインドのタタ自動車もありますが日野のほうが多いです。インドでは活躍している韓国勢は少なくて一部のタクシーがヒュンダイを使っている程度です。フォードやGMもあまり見ません。