実は富裕国バングラデシュ--駐在員の安全を確保しながら進出が可能
--なるほど、十分に進出できる地域ということですね。現在の日系企業の進出状況はどうなってますか?
現在の進出企業数は100社弱ほどになっています。業種は繊維や繊維機械が多いですが、総合商社、食品加工、精密機械、メーカー系商社などもあります。日系の進出先のほとんどが、首都ダッカもしくは二番目の都市であり港湾都市のチッタゴンです。チッタゴンは船の解体などで有名な場所です。
インフラは電気、水道、道路、港湾ともにかなり未整備です。道路は一部の主要道路を除き、かなりガタガタです。インドの道路がうらやましいくらいです。海、川、港、船のイメージが強いと思いますが、輸出入として使える港湾はチッタゴンくらいで、あとの港町は国際物流に使えません。チッタゴンにしても大きい港ではありませんので、シンガポールなどを経由することになります。
中国と比較した場合のネックは、インフラと物流といったところでしょうか。また、飛行機は日本からの直行便はありません。そういう意味ではまだまだこれからの国です。
--なるほど、逆にいえば経済的なフロンティアで、これからの成長が期待できそうですね。現在は、何人くらい日系駐在員がいるんでしょうか?
在留邦人数が420人くらいですが、NGOや調査機関の方も結構いると思いますので、駐在員の数は何人くらいでしょうか。420人のうち高校生以下が130人ほどですので、意外と家族帯同が多いようです。成人が300人弱として、奥様がいる場合など考えると、駐在員数は百数十名といったところだと思います。
進出企業数の割には少ないかもしれません。1企業あたりの駐在員が少ないのです。進出はしているが日本人がいない場合などもありますが、自動車や電機などが現地生産していないということがあると思います。