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激しかった「前衛芸術」赤瀬川原平を再び 絵画、オブジェ、小説、路上観察まで変幻自在

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カニ缶に宇宙をとじこめる

千円札の作品と同じ頃、赤瀬川さんは高松次郎、中西夏之と「ハイレッド・センター(HRC→3人の名前の漢字の頭文字の英訳から命名)」というユニットを結成。個人用シェルターを予約販売する「シェルター計画」や、白衣を着て銀座の路上を清掃する「首都圏清掃整理促進運動」など、イベントやパフォーマンスを繰り広げた。「欧米の水準から見ても最先端のアートだった」と水沼さんは言う。

赤瀬川原平『宇宙の罐詰』1964年/1994年 

そのハイレッド・センターのイベントのお土産として作られたハイレッド缶詰のひとつが『宇宙の罐詰』だ。缶詰を開けて中身を取り出し、ラベルをはがして内側に張る。そして再びハンダで缶を密封する。缶の中に缶の外側、つまり宇宙を閉じ込めた作品になっている。

ここまで来て、やりたいことがなくなってしまった赤瀬川さんは、60年代末になると収入を得るためにイラストの仕事を始め、やがて世相を風刺したパロディマンガを書くようになる。「櫻画報」が『朝日ジャーナル』に、「お座敷」が『月刊漫画ガロ』に連載された。1980年には尾辻克彦の名前で書いた小説『父が消えた』が芥川賞を受賞。その後、路上観察の活動が知られるようになる。

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【一生で複数のブームを生む】

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