美しいほど怖い!生き霊になった女の「怨念」

「うらめしや展」の幽霊画はここが恐ろしい

幽霊画の展覧会「うらめしや~、冥途のみやげ」が、9月13日まで東京藝術大学大学美術館で開かれている。ほの暗い地下の展示室に、それぞれの恨みを抱えた幽霊たちが集う。企画した東京藝術大学大学美術館の古田亮准教授に、5人の幽霊を紹介してもらった。

葵上を呪い殺そうとする六条御息所

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《焔》上村松園 大正7(1918)年 絹本着色 東京国立博物館 Image:TNM Image Archives (9月1日~9月13日に展示)

女の嫉妬が炎のように燃え上がり、身を焦がす。光源氏の正妻である葵上に嫉妬し、生き霊となって呪い殺そうとする六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)の姿だ。

作者の上村松園(1875~1949年)は美人画で知られる女性画家。生涯に1点だけ、「生霊」を描いたのがこの作品だという。

「 当時、女性画家として生きるには大変なことがあり、その想いをためていたのでしょう。そういう情念を直接的に表現すると、説明的で表面的なものになってしまいますが、松園は個人的な体験ではなく、こういうことってありますよね、と普遍化して、ひとつの芸術表現に至っています」と古田亮さんは語る。

藤の花の着物には、一面に蜘蛛の糸が張り巡らされている。黒く見える蜘蛛の糸は、銀が酸化して黒くなったもの。もとは銀色に輝いていた。

「決してドロドロはしていなくて、きれいに描いています。でも、美を極めていけばいくほど、そこには裏側も見えてきます。美しいものほど怖いものはない。子供にはあまり怖くないけど、人生経験のある大人が見ると怖い」

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