こういう否定的な言葉で責めることで、子どもとの人間関係が悪くなりますし、同時に子どもの自己肯定感は下がります。これでは子どもは伸びませんので、「手伝ったりやってあげたりするとき否定的な言葉で責めない」ということを頭に刻んでおく必要があります。
誰にも「助けて」と言えない大人になってしまう
さて、最後にもう1つ別の角度から、「自分のことは自分で。人に頼るな。甘えるな」と言いすぎることの問題点を挙げたいと思います。
ひと言で言うと、子どもの頃からこういうことを刷り込まれて育つと、大人になって何らかの困難に直面したときも「助けて」と言えない人になってしまうということです。
子育てや家事を1人で抱え込んで鬱病になってしまった女性や、職場で過重な仕事を課せられ過労死した会社員など、日本ではこうした事例に事欠きません。事件などで表面化しなくても、これに近い状態になっている人が世の中にどれだけいるかわかりません。
そういう人たちが「自分1人ではもう無理。助けて」と言えないのは、なぜでしょうか? それは、子どもの頃からの刷り込みによって、「自分の仕事は自分でやらなければ。人に迷惑をかけてはいけない。人にやってもらってはいけない」という気持ちが強いからだと考えられます。
こういうことにならないためには、子どもの頃から「自分でできないことは、誰かに手伝ってもらったり、やってもらったりしていいんだ」ということを教えていく必要があるのです。
長い人生を生きていくうえでは、人に頼る・甘える・助けてもらうなどの能力も大事です。つまり、上手に依存する能力も立派な能力なのです。
大人である私たち自身がこういう認識にシフトしていくと同時に、子どもたちにも教えていくようにしましょう。そうすれば、日本の社会も今より少しは住みやすくなるはずです。
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