一方、2組についてですが、テレビでははっきり言ってはいませんでしたが、先生はできない子を手伝わない一方、自分でやることをうながそうとして、「幼稚園生なんだから自分で○○しなきゃダメ」などの否定的な言い方をすることが多かっただろうと想像できます。
筆者は長く小学校の教師をしていましたが、その経験から見ても、先生に叱られ続けると、先生のことが好きではなくなりますし、子どもの自己肯定感は下がっていきます。つまり、「どうせぼくなんかダメだよ。靴下を履くなんて、そんな難しいことできるはずないよ」と思い込んでしまって、その結果がんばる気になれなくなるのです。
子どもができないことへの4つのポイント
教育心理学では、子どもを伸ばすための必須条件として、人間関係をよくすることと自己肯定感を高めることの2つが挙げられています。内田先生の研究でもそのことが表れていると思います。
私もテレビを見ていてこれほどはっきりとした違いが出ることに驚きましたが、後日聞いた別の発達心理学の教授によると、これはもう発達心理学の専門家の間では定説になっているとのことでした。つまり、同様の研究をどこでやっても同じような結果が出るということです。
私たちが昔から漠然と思い込んでいた「手伝ったりやってあげたりしていると自立の妨げになる」というのは間違いだということを、しっかり頭に刻んだほうがよさそうです。そして、子どもの苦手やできないことについては次のように臨むようにしましょう。
2,それでも無理なことは手伝ったりやってあげたりする
3,そのとき否定的な言葉で責めない
4,子どものがんばりやほんの少しの向上を、見逃さないでほめる
上記の3について補足します。実際には親も先生も、子どもができないことについて手伝ったりやってあげたりすることは多いのですが、そのときどうしても余分なことを言ってしまいがちです。例えば、「ちゃんと自分でやらなきゃダメでしょ。もうすぐ○年生なんだから。こんなことでどうするの?」などです。
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