まるで陸続きの国のように、アジアだけではなくアメリカ、ヨーロッパからの外国人旅行者が歩いているのが当たり前。標識や説明書、あるいはお店のメニューなどが複数の言語で書かれている。そんな状況が、数年後には日本の街中に訪れるかもしれない。
実際、小泉政権下の2003年にビジット・ジャパン事業(訪日外国人旅行者の増加を目的とした訪日プロモーション事業)が開始されてから、訪日外客数は増加ペースを急速に高めてきた。
ビジット・ジャパン事業開始後10周年を迎えた2013年は、「観光立国実現に向けたアクション・プログラム」(2013年6月)が策定され、東南アジア(タイ・マレーシア等)を対象にビザ発給要件が緩和されたことに加えて、円安や富士山の世界遺産登録などが追い風となり、訪日外客数は1036万人(前年比+24.0%)と大幅に増加した。
「日本再興戦略」(2013年6月)におけるKPI(政策群ごとに達成すべき成果目標)は、「2013年に訪日外国人旅行者数1000万人を達成し、2030年には3000万人を超えることを目指す」とされており、その一部を達成したことになる。2014年入り後は増加ペースがさらに加速しており、2014年の訪日外客数は1300万人も視野に入る水準である。先に述べたことが絵空事ではない根拠がここに見られる。
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