英語教師は見守り、応援する役割に回るべき
安河内:4技能試験が定着すれば、高校や中学の先生もスピーキングに励むようになります。英語の先生の中には英語が大好きという人が多いですし、スピーキングを教えたくてたまらないという割合もかなり高いんですね。
それなのに、受験の影響でまるで予備校の講師みたいになってしまっている先生も多い。英語の先生が4技能になったら対応できないと多くの人が心配するのですが、それは現場の先生に対して失礼だと思います。英語の先生は当然、英語好きです。使える英語を教えたくて先生になった人がほとんどだと思うのです。
遠藤:そうね。もともとの素養はあるんだろうし、リスニングとスピーキングを強化しさえすれば、うまくできるでしょう。
安河内:あとは多くの人が誤解しがちなのは、英語の先生はすべてのことを全部丸々教えなければならないと思っていることですね。4技能試験になってくると、英語の先生がやるべきことは、ファシリテーターとして生徒の活動を促すことです。体育や音楽の先生みたいな感じですね。自分自身が英語でしゃべって教えるというよりは、生徒が頑張って英語を口にできるように、ハッパをかけるのが役目なのです。
ここで文科省や関係者のみなさんにお願いしたいことがあります。それは、CDやICT(Information and Communication Technology:情報コミュニケーション技術)教材などの、たくさんの音声、動画教材を現場に供給してほしいということです。そういった教材が豊富にあれば、先生たちがつねに自分で教えなくても済むだけでなく、生徒と一緒になって学べる環境ができる。
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