東京五輪、全国100万人が外国人をガイド!? 日本の教育を変えるキーマン 遠藤利明(3)

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遠藤:ICTはもっとうまく使いたいね。あとは遠隔授業で英語ネイティブに発音のデモンストレーションをしてもらったら、英語の先生はそれを補完すればいいだけ。そんなやり方もあるね。

安河内:適正なレベルの4技能試験が導入されれば、それに沿って先生は教え方を変えていくでしょう。今の英語の先生に英語の4技能は教えられないのでは?と、みなさん心配されるのですが、レベルが合ってさえいれば大丈夫だと思います。英語の先生方の使命感と責任感はすごいんですよ。政治家や実業界のみなさんがいくら大声で叫んでも、結局、若者をグローバル化に対応させることができるのは英語教師だけです。私たちの多くは、そんな使命感と責任感をもってこの変化を受け入れています。

遠藤:安河内さんが言っていたように、英語好きの人が英語の先生になっていると考えれば、そこまで心配する必要はないのかもしれないね。

安河内:遠藤先生にわざわざ反対意見を言ってくるという人は、むしろ少数派なのではないでしょうか。世の中の大半の人は早く4技能化を実現してほしいと思っているし、英語の先生もしかりだと思います。ほとんどの先生は「4技能化大賛成」、ただし「TOEFL一本化大反対」なのだと思います。そこをしっかり区別する必要があります。

遠藤:そうか、よかった。初めTOEFLとして反対の声が大きくて、その理由が難しいからだと聞いたので、「TOEFLなど」としたわけだけれど、そのあとIELTS、GTEC、TEAPとほかの4技能試験が集まってきて、後は換算がうまくできればいいと思っていたのです。それが協議会を作れば換算も公正にできると今日聞いたので安心しました。

東京オリンピックの100万人アンバサダー構想

遠藤:私は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の理事をしているのですが、10万人のボランティアに加えて、100万人のアンバサダーを作ろうとしています。100万人のアンバサダーは、日本中どこにいてもなれるもので、外国人が自分の住む地に来たら、その国の言葉で案内ができる人のことです。

安河内:おお、それはいいですね。

遠藤:北海道だろうが鹿児島だろうがどこでいい。写真入りのIDカードを作って、Englishの観光客なら英語のできるアンバサダーが、Germanの観光客ならドイツ語ができるアンバサダーが対応する、そんなふうにしたいと考えているのです。これも、真に英語が使えるためのひとつのきっかけになればいいですね。

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