普及間近!ウエアラブル端末の近未来を読む 3大シンクタンクが読む2015年の日本<第6回>

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スマートウォッチを身に付ける空港職員(写真提供:日本航空)
日本を代表する3大シンクタンクであるみずほ総合研究所、三菱UFJリサーチ&コンサルティング、野村総合研究所に、6回にわたって2015年の日本を予測してもらう本連載。最終回を執筆するのは、『ITロードマップ 2015年版』を上梓した野村総合研究所 上級研究員の亀津敦氏。2015年が“元年”となる、「ウェアラブル端末」について解説する。

ウエアラブル端末でサービスや働き方が変わる!?

野村総研技術調査部による「ITロードマップ」調査をベースとし、これから情報技術がどう変わるのか、どのようにビジネス、経済、社会に受け入れられて行くのかを予測。 2015年版では、ウエアラブル端末の市場投入に伴う変化や、IoT・スマートマシンなど、従来のPCやスマートフォンとはまったく異なる新しいサービス展開を中心に解説する。

2014年は、身に付けることができるデジタル端末=“ウエアラブル端末”が数多く登場し、新たな市場としてウエアラブルコンピューティングへと注目が集まった。これまで話題になっていたGoogle Glassなどのスマートグラス(メガネ型端末)に加えて、Appleの「Apple Watch」の発表によって、スマートウォッチが新たに注目を集めている。

ウエアラブル化の波が押し寄せている領域は、スマートグラスやスマートウォッチにとどまらない。指輪型や衣服に埋め込んで“着る”端末など、ほかにもさまざまなタイプのウエアラブルなコンピュータが登場してくると見込まれる。2015年はまさに“ウエアラブル元年”と言えるだろう。

ウエアラブル端末の進化は始まったばかりだが、すでにウエアラブル端末を活用した新サービスや業務利用の先進的な事例が出始めており、われわれのビジネスのあり方や働き方を変える可能性が垣間見えつつある。

たとえば、スマートウォッチを活用した高齢者の見守りサービス。腕時計型の見守りデバイスと家庭内のセンサーを組み合わせ、お年寄りがどの部屋でどのような行動をしているかを見守り続ける。長時間動かなかったり徘徊のおそれがある場合など、異常なパターンが見られるときには、離れた場所にいる家族へ知らせる。スマートウォッチと家庭内のビーコン(位置識別用のセンサー)とが連携して家庭内のどこにいるかを把握できることと、端末を身に付けた人の行動をクラウド側で分析していることが、これまでの端末オンリーのサービスとの違いだ。

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