「資格ランキング」ほど無意味なものはない! 己の「理想」と「現実」のギャップに目を凝らせ

✎ 1〜 ✎ 5 ✎ 6 ✎ 7 ✎ 最新
拡大
縮小
ついつい気になって見てしまうランキングですが、なぜ資格においては「意味がない」のでしょうか(写真:Graphs / Imasia)

学生時代だけでなく、大人になっても勉強は続く。ただ、家庭や仕事を抱え多忙な社会人にとって、資格や英語などの試験勉強は大きな壁となる。この連載では開成→東大→司法試験一発合格という「試験突破のプロ」鬼頭政人・資格スクエア代表が、悩めるビジネスパーソンからの勉強相談に鋭く切り込みアドバイスする。著者への勉強相談はこちらのフォームから!

鬼頭さんの著書『頭のよさとは「ヤマを張る技術」のことである』(KADOKAWA/中経出版)も発売中
【勉強相談vol.5】営業職に最適な「資格ランキング」、教えてください!
中途採用で営業として5年働いていますが、最近、部下を指導したり、プロジェクトのリーダーを担当したりすることが多くなりました。すると会社の内外から、いわゆる”足で稼ぐ”以外の知識を求められることが増えてきたなと感じています。
具体例を挙げると、財務諸表を読み解く、商標や特許の手続について話が出来る、貿易の「あるある話」についていく、税制や政権交代による今後の見通しについて明るい……。こういった幅広い要素が求められていると感じるのです。ただ、新聞を読むだけでこういう知識が身につくとは思えません。
私の場合、入社当初は営業にかかわる商品知識以外には、簡単な貿易用語と、海外からの電話のつなぎ方程度の研修しか受けませんでした。
一方で、大きな企業の管理職の方の中には、名刺に役職以外に資格名を記載している方が多くいらっしゃいます。特に歴史のある会社(電機メーカー、百貨店、車メーカーなど)にそういった傾向が強いように思います。
「営業マンであればこの資格」というものはあるのでしょうか。時間もあまりないので、ランキングのような形で教えていただけると助かるのですが……。
(30代、営業職、男性)

 

あなたがしているのは焼肉屋とケーキ屋の比較

「資格ランキング」、巷にあふれていますね。確かに聞こえはいいし、「1位は何だろう」という好奇心をくすぐることも事実です。

でも、このランキングに踊ってしまう人、本当にバカです。資格は世の中に数百以上ありますが、その内容や試験形態は本当にさまざま。そもそも資格というのは特定分野のスペシャリストであることを証明するものなので、その役割はまちまちであり、ランキングで比べても意味がありません。そう、焼肉屋とケーキ屋を「おいしさランキング」で並べているようなものです。

さらに言えば、今回のご質問者様は「幅広い知識を得たい」という「なんとなくスキルアップしたい」願望を持っているだけで、問題意識が極めて曖昧です。こんなふうに120%他力本願な質問をされても、答えようがないのです。「おカネ持ちになるにはどうしたらいいんですか?」という質問には、「がんばって」としか言いようがないですよね(笑)。

次ページ自分に求められている「理想能力」は何?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
日本の「パワー半導体」に一石投じる新会社の誕生
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
【浪人で人生変わった】30歳から東大受験・浪人で逆転合格!その壮絶半生から得た学び
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT