「資格ランキング」ほど無意味なものはない!

己の「理想」と「現実」のギャップに目を凝らせ

まぁ、そうは言っても、アドバイスはさせていただきますね。ランキングに踊らず、他力本願にもならず、今の自分に最適な資格を探し出すにはどうすればいいのでしょうか。

その答えを端的に言えば、自分に対する問題意識をシャープにし、理想と現実のギャップを正しく認識することです。ランキングのように「資格ありき」で考えるのではなく、自己分析を出発点にするほうが、最適な選択ができます。

営業職に本当に必要なスキルとは?

まずは今自分がいるポジションいついて、「自分の担当分野で求められる理想的な能力は何か」「その理想と現在の自分のギャップは何か」という観点から考えてみるのです。

営業職を例にとって考えてみましょう。巷には「トップセールスマンの交渉力」「客の心をつかむ話し方」などという本が氾濫し、対人能力ばかりが強調されがちですが、なにもそればかりではないはずです。

もちろん対人能力は重要ですが、いくらその場でのコミュニケーションが円滑に取れても、長い目で見れば、「両者が持続的にビジネス上の利益を得られるような関係を構築できるか」という点こそ重要になってきます。そうすると、営業マンとして、以下の視点を備えていることが必要と言えるでしょう。

① 競争環境の視点

自社の商品がどの市場で戦っていて、その市場でどのようなポジションにいるのか、競合と比べ優位性はどこにあり、今後その市場全体はどうなっていくのか、などなど

② 経営数値の視点

商品の原価がいくらで、どの程度まで値下げして売っても会社に利益が出るのか、どの程度まで在庫を抱えられるか、などなど

つまり、対人コミュニケーションの前提となる、「市場環境」「競合状況」「取引による売掛金、在庫の発生高、発生期間」といった諸々の事情を把握しておくことが重要になるのです。「営業に役に立つ資格」を手に入れたい、と考えるのであれば、こうしたあるべき姿やレベルを定めて、そこと現状の自分とのギャップを埋めるための資格を選ぶべきです。

こう考えれば、営業マンに役立つ資格も自ずと浮かび上がります。①の競争環境に関する知識という意味では、経営学検定、経済学検定、マーケティングビジネス実務検定といった資格がありますし、②の経営数値に関する知識という意味では、日商簿記、全国経理検定簿記、ビジネス会計検定といった資格があります。

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