洞察力を磨くには「世界史と日本史」を学べ 本質を見極めるには、「広く・浅く」学ぶのが基本

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みなさんが少しでも興味をもっている学問からでよいので、自らがカバーする学問の範囲を徐々にコツコツと広げていくことが肝要です。

ただし、一つの学問を学ぶにあたって、専門家のレベルまで知識を高める必要はありません。むしろ、大学の一般教養課程の授業と同じように、「広く、浅く」身につける程度でよいのです。

たしかに、専門分野でその知識をいくらでも深めていくことはできますが、それは多くの場合、一定の物事の見方を強化しているにすぎません。自分の専門分野の立場からばかり物事を考えていては、新しい発想が生まれてくるはずはありませんし、思考の幅と奥行きも広がっていくはずもありません。

多面的角度から物事をとらえ、本質を探り出す

その意味では、自分が勉強した経験のある学問とはまったく関係がないように思われる分野の学問に、積極的に接してみるのもよいでしょう。

あるいは、自分とは違う立場の人の見解を見聞きして、その見解の背景を探ってみるのもよいでしょう。

専門分野に偏った視点ではなく、多面的な角度から物事をとらえることが大切です。

さまざまな知識や情報を吸収し、複雑に絡み合っている因果関係を整理することによって、その本質を探り出す洞察力を鍛え上げるのです。世の中のありとあらゆる学問が、本質を見極める洞察力を磨くのに役に立つわけです。

11月5日発売の新刊『未来予測の超プロが教える 本質を見極める勉強法』では、私が実践している「本質を見極めるための学び方や考えるコツ」を余すことなくお伝えしております。興味がございましたらご覧いただければと思います。

中原 圭介 経営コンサルタント、経済アナリスト

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なかはら けいすけ / Keisuke Nakahara

経営・金融のコンサルティング会社「アセットベストパートナーズ株式会社」の経営アドバイザー・経済アナリストとして活動。「総合科学研究機構」の特任研究員も兼ねる。企業・金融機関への助言・提案を行う傍ら、執筆・セミナーなどで経営教育・経済教育の普及に努めている。経済や経営だけでなく、歴史や哲学、自然科学など、幅広い視点から経済や消費の動向を分析しており、その予測の正確さには定評がある。「もっとも予測が当たる経済アナリスト」として評価が高く、ファンも多い。
主な著書に『AI×人口減少』『これから日本で起こること』(ともに東洋経済新報社)、『日本の国難』『お金の神様』(ともに講談社)、『ビジネスで使える経済予測入門』『シェール革命後の世界勢力図』(ともにダイヤモンド社)などがある。東洋経済オンラインで『中原圭介の未来予想図』、マネー現代で『経済ニュースの正しい読み方』、ヤフーで『経済の視点から日本の将来を考える』を好評連載中。公式サイトはこちら

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