2014年の後半に入ってから、私は日本経済についてはあまり語って来ませんでした。それは、「東洋経済オンライン」の連載やブログ、拙書などで2013年から2014年前半にかけて、アベノミクスが失敗する原因について、すでに散々語ってきたからです。(例えば2013年版の連載では、2013年3月7日の記事『アベノミクスは歴史の教訓を何も学んでいない~通貨安政策は格差を拡大させるだけ』で、初めて取り上げています)。
日銀の「過剰な量的緩和」は、格差を招くだけ
私は通常、1年間に2冊くらいのペースで本を書いていますが、2013年に限っては意欲的に6冊もの本を書き上げました。通常の仕事との両立が厳しかったにもかかわらず、なぜそんなにも意欲的に書くことができたのかというと、「日銀の過剰な量的緩和は日本国民を不幸にする」と確信しているからでした。
ところが、アベノミクス(日銀の量的緩和)を支持する方々からは、多くのご批判をいただくことになり、過剰な金融緩和が招く副作用について、多くの人々にご理解をいただくのは難しかったようです。いくら「設備投資は増えない」「輸出は増えない」「消費税増税の影響を過小評価しすぎだ」と論理的にわかりやすく説明したつもりでも、感情的に理解しようとする人々が少なかったように思われます。
しかし、景気後退の足音が聞こえてきている今となっては、もう1回だけでも論理的に説明すれば、「なぜアベノミクスが失敗するのか」を理解してもらえるのではないでしょうか。
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