円安が輸出増につながらない本当の理由

日本経済は追加緩和による一段の円安で復活

円安によって、日本の観光産業の競争力は高まった。消費増税のショックを和らげる効果も(アフロ)

日本銀行が動いた。

先月10月初旬の世界のマーケットでは、株式などリスク資産が広範囲に売られ、ドル円相場も一時106円台をつけた。10月20日のコラム「急増する『円安倒産』の真犯人は誰か」でも述べたが、この動きはエボラ出血熱騒動という予想外の出来事で、市場心理が悪化したことがもたらした面が大きかったようで、コラムを書いた時点から幸いなことに世界的に株価が反転。日銀の追加緩和の影響もあり、ドル円相場も1ドル=112円台までドルが上昇、ドル高円安に戻っている。

今後は米国と日欧の勢いの差が一段と鮮明に

2014年は、米国では年初の停滞を除き、3%前後の堅調な成長率が続いている一方、日本、欧州、多くの新興国経済は減速が続き、米国の独り勝ちの様相が強まっている。こうした中で、世界経済全体の景気循環がどう動くか市場では思惑が揺れ動いたが、これまでのところ米国の最終需要の伸びが世界各国経済を支え、緩やかな回復を保っているとみられる。

こうした構図が続けば、2013年までと同様、景気回復によって企業業績が伸びて、それが株高を支える構図が続くことになる。そして、為替市場では、投資家のリスク選好姿勢が続き、さらに「正常化に進む米国」対「金融緩和を続ける日欧」という金融政策の方向性によって、ドル円やユーロドルが決まるだろう。このため、2015年春先を見据えれば、ドル円が110円台で定着する余地があると考えている。

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