英語ディベートは大学入試の準備にもなる! 日本の教育を変えるキーマン 松本 茂(4)

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 こんにちは、安河内哲也です。英語教育の専門家にお話を伺っている本連載。NHKテレビ「おとなの基礎英語」の講師役としてもおなじみの、立教大学経営学部教授、松本茂さんとの対談も最終回です。最後まで読んでくださいね。
(1)「『おとなの基礎英語』松本先生は英語が苦手?」はこちら。
(2)「宮沢賢治もディベートをしていた!?」はこちら。
(3)「英語ディベートは英会話よりも簡単!?」はこちら。 
ディベートは大学受験に効く。そのワケとは?

安河内:大学入試の4技能には賛成派の私も、ディベートでは4技能化に反対派の立場に立つことがあるわけですね。相手側の立場で考えることで気づく点も多々あり、思考の幅が広がります。では、ディベートの試合は実際にはどんなふうに始めるのですか?

松本 茂(まつもと・しげる)
立教大学経営学部国際経営学科教授、立教大学グローバル教育センター長
1955年、東京都出身。マサチューセッツ大学ディベート・コーチ、神田外語大学助教授、東海大学教授などを経て、2006年より現職。専門はコミュニケーション教育学。NHKの英語番組の講師としてもおなじみで、これまでにテレビ10年、ラジオ4年担当(現在、Eテレでは「おとなの基礎英語」シーズン3を来年3月末まで再放送中)。また、日本ディベート協会の専務理事も務めるなど、日本語ならびに英語によるディベート活動の普及にも力を注いでいる。著書に『英語ディベート 理論と実践』(玉川大学出版部)、『英会話が上手になる英文法』(NHK出版)、『速聴速読・英単語』『会話がつづく!英語トピックスピーキング』(Z会)など。 公式ツイッター

松本:まずは進行係が「今日は○○の論題でディベートします」と説明してから、肯定側と否定側のメンバーが自己紹介します。それから「では、肯定側立論を始めてください」と促します。

安河内:まずは、肯定側から始めるんですね。立論は英語では何と言うのですか?

松本:constructive speechです。ここでは論題を肯定する理由を述べるわけです。

安河内:その次は否定側のcross examination(反対尋問)ですよね?

松本:大会の場合はそうなのですが、cross examinationは中高生にとっては難しいので、授業でやらなくてもいいと思います。

安河内:なるほど。反対尋問は裁判などでするような短い質問によって相手の論理を崩そうとするものなのですか?

松本:崩そうとする場合もありますが、いちばん大切なのは確認することです。最初から攻撃的に質問しようとすると、特に初心者の場合は失敗するケースが多いので、たとえば「主な議論はいくつあるのか?」「最初の議論を聞き逃したので繰り返してください」といった、基本事項を確認することを中心としたほうがいいですね。

安河内:次に否定側の立論、肯定側の反対尋問という流れですね。

松本:そうです。

安河内:これで4パートが終わったことになりますよね。その次は?

松本:多くの場合、preparation time(準備時間)を1~2分とります。この後、高校生の進行形式ですと、attack speechとdefense speechというのが続きます。

安河内:そして、その後に最終弁論があるんですね。これは英語では何と言うのですか?

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