韓国で「ショートカットの女性」が攻撃されるなぜ 女性を嫌悪する20代男性「イデナム」の正体

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韓国で存在感を増す女性を嫌う20代男性たち「イデナム」が主張していることとは(写真:The New York Times)
「あの事件ですべてが変わった」と多くの韓国人が口をそろえる事件がある。2016年5月に起きたソウル・江南駅付近で起きた女性殺人事件だ。それまで韓国の女性たちにとってフェミニズムは"一般的"なものではなかったが、この事件をきっかけに次々と声を上げ始め、大きな社会運動となった。
あれから約6年ーー。韓国ではその後、世界的な#MeToo運動の流れを受け、ジェンダー平等を求める動きやフェミニズム運動は”独自”に発展。ついには男女間の亀裂を生む、という予想外の事態も招いている。3月に行われる大統領選でもジェンダーは大きなテーマの1つとして候補者や支持者が激論を交わしている。
韓国に比べ日本は#MeToo運動が盛り上がらなかったと言われるが、それでもジェンダーは避けて通れない重要な問題となっている。韓国の「今」から日本が学べることも多くあるだろう。
韓国フェミニズムの現在地に3日連続で迫る「激震『韓国フェミニズム』知られざるその後」1日目の第2回は、女性を嫌う20代男性、通称「イデナム」について、報道番組ディレクターでジャーナリストの朴眞煥氏がレポートする。
【特集のそのほかの記事】
第1回:男性に不満持つ「韓国女性たち」の容赦ない本音
第3回:フェミニズムが一気に「爆発」した韓国特有の理由

海外メディアも「女性嫌いの男性」に注目

韓国でフェミニズムに反感を持つ20代の男性が存在感を増し、「イデナム(이대남=20代男)」現象が起きている。イデナムとは、反フェミニズム傾向の20代男性を意味する言葉である。大多数の20代男性とは言えないものの、彼らの行動は韓国社会にさまざまな議論を巻き起こしている。

アメリカCNN放送は現地時間1月24日、「韓国の驚くべき反フェミニスト運動(South Korea's surprising anti-feminist movement)」というタイトルのニュースを放送した。

この特集の一覧はこちら

ワシントンポスト紙のコラムニストであるファリード・ザカリア氏によるこの報告で、彼は「男性の権利を求める若い男性による運動が韓国社会に現れ始めた。この運動はネット上で拡散され、保守系の政治家に利用され成長し続けている」と指摘。「韓国は先進国の中で男女の賃金格差が最も大きい国であるのに、20代男性の79%が自身は深刻な差別を受けていると答えた。奇妙な現象が起きている」と加えた。

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