最長21カ月間、社会と隔離され、世の中の変化や最新情報を手に入れることができない。男性が徴兵制で2年余りの時間を失う一方、女性は男性より一歩早く社会に出ることができる。このようなことから、韓国の若者は徴兵制に不平等を感じているのだ。20代の男性は男女平等を訴えるフェミニストに対し「だったら、女性も徴兵に行け!」と怒りをあらわにすることをよく聞く。
"不平等"を解消するはずの制度もなくなった
徴兵制が生み出す不平等を解消する制度として、かつては「軍服務加算点制度」が存在した。これは、公務員採用試験などに兵役期間が2年以上の男性には5点、2年以下の男性には3点の加算点を与える制度である。
しかし、1999年、憲法裁判所(最高裁)は同制度が性別による差別につながるという趣旨で違憲判決を下した。廃止から23年が過ぎた今も軍服務加算点制度の復活を求める若い男性の声は根強い。
ある20代の男性は制度廃止についてこう話す。
「軍服務加算点制度が男性の特権だと思いません。同制度の廃止は、軍隊で過ごした時間と私の存在を否定するようなものだと感じています。差別を受けるのは女性ではなく、男性ではないでしょうか。だって女性は軍隊に行かなくていいですから……」
徴兵制、軍服務加算点制度の廃止、そして、男性を「潜在的な加害者」として認識する雰囲気など、これらによって「イデナム」は、「差別は受けているのは女性ではなく、男性である」と感じているのである。
さらに、近年韓国の若者は皆が同じ土台に立ち、競争することができる「公正な社会」を強く求めている。イデナムはフェミニズムが男性から当たり前であった権力を奪い、不平等や逆差別を生み出す思想・主張だと感じているのである。
彼らの考えが、男女平等が進まない韓国社会にさらなる分裂を引き起こしている。
(1日目第3回はフェミニズムが一気に「爆発」した韓国特有の理由)
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