韓国ドラマ「不安定な年下男性」多出する納得理由 ヒョンビン出世作から女性の描かれ方変わった

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「愛の不時着」で共演した女優ソ・イェジンとの結婚を発表したヒョンビンをスターに押し上げた「伝説のドラマ」がある(写真:Splash/アフロ)
コロナ禍で「愛の不時着」や「梨泰院クラス」を見て、あるいは、昨年世界的ブームを巻き起こした「イカゲーム」を見て韓国ドラマにハマったという人は少なくないだろう。韓国ドラマといえば、「セットや衣装が豪華」「プロットが緻密」「ストーリー展開が予想できない」など、視聴者を魅了する要素が数多くちりばめられているが、実は20年前に日本でも大ヒットとなった「冬のソナタ」から大きく変わっている。
今や世界を席巻するようになった「Kドラマ」を変えた立役者は韓国の女性たちだ。特集「激震『韓国フェミニズム』知られざるその後」2日目1本目は、ソウル新聞記者で、YouTubeチャンネル「ウン記者TV(Reporter Eun’s Lit NEWS)」の司会を務めるイ・ウンジュ記者が、女性たちの声によっていかに韓国ドラマが進化しているかをレポートする。
【特集2日目のそのほかの記事】
第2回:女性たちが語る「日韓エンタメ」の決定的な違い
第3回:K-POP「強い女性アイドル」生まれた大人の事情
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財閥御曹司とイケメンがやたら多いワケ

世界中を席巻している「Kドラマ」ブームは、短時間でつくられたものではない。この数十年間、培われてきた韓国の映画とドラマのノウハウと制作側の力量が結集した結果だ。Netflixのテレビ部門で1位となった「イカゲーム」や「地獄が呼んでいる」「今、私たちの学校は…」など、Kドラマは演出から美術、衣装に至るまで、韓国の映画界の人材が大挙投入された。

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Kドラマ産業のもう1つの軸は、ロマンティックコメディというジャンルだ。このジャンルのドラマは数十年間、韓国だけでなく世界中の女性の心をつかんでいる。世界各国の視聴者は身分と階層を超えて、男女の主人公の切ない愛に共感し、あらゆる困難を乗り越えて愛をつかみとることに成功する女性主人公をみながら、自分をも満足させてきた。

1990~2000年代、韓国のロマコで人気を博したものの多くは、シンデレラストーリーだ。見た目は清純可憐だが経済状況が厳しい家庭のヒロインが、白馬に乗った王子と出会い、1日にしてシンデレラとなる――。こんなストーリーが韓国ドラマで長い間、定番中の定番だった。韓国ドラマには、イケメンで財力も兼ね備えた財閥2世がやたら多く登場するのもそのためだ。韓国で一気に人気を得た「星に願いを」(1997年)や「パリの恋人」(2004年)などが、その代表作だ。

日本では韓流ドラマの元祖とされる「冬のソナタ」(2002年)の男性主人公カン・ジュンサンも誰もが憧れる職業を持つイケメンであり、愛する女性に対して限りない愛情を注ぎ続ける完璧なキャラクターだった。これを演じたペ・ヨンジュンを、「ヨン様」として一気に世界スターに引き上げることになった。

が、あるドラマをきっかけに韓国ドラマは変わることになる。

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