一方、革新系与党の李在明(イ・ジェミョン)候補の20代男性支持率は18%にとどまった。世論調査によって差はあるものの、尹錫悦候補の20代男性支持率の急増が目立つ。尹錫悦候補は20代男性からの圧倒的な支持のお陰で、支持率トップに躍り出た。尹候補は次から次へと若い男性のための公約を打ち出している。
韓国社会では、反フェミニズム傾向が強い20代男性、「イデナム」が大統領選を動かすほどの集団に成長していることを実感した。
差別はわれわれが受けている!
韓国社会は、男女格差の解消を重要政策に挙げたが、依然として男女格差は解消されないままである。世界経済フォーラム(World Economic Forum:WEF)が各国の男女格差を「ジェンダーギャップ指数」として数値化した年次報告書「The Global Gender Gap Report 2021」において、韓国は156カ国中102位だった(日本は120位)。108位だった前年よりは6位上昇したものの、2006年の92位から順位を落としている。状況は改善どころかむしろ悪化している。
一方、前述したように、韓国で行われたさまざまな研究結果をみると、20代における男女平等意識は他の世代より高い。しかし、フェミニズムに対する認識においては状況が一変し、20代男性に最も強い「反フェミニズム」傾向が見られるという結果が出ているという、乖離現象が起きている。
なぜ、20代男性に反フェミニズム傾向が見られるのか。
まずは、日々厳しくなっている20代の若者を取り巻く社会・経済的な環境がある。韓国の中央銀行、韓国銀行が先月25日に発表した昨年1年間のGDPの伸び率は、前の年と比べてプラス4%となり、コロナ禍の中、指標からみる韓国経済は緩やかな成長を続けている。しかし、このような恩恵は20代の若者には行き届いていない。
韓国政府の発表によると、昨年12月の失業率は3.5%だったのに対し、15歳〜29歳までの失業率は5.7%で青年失業率は依然高い。また、不動産価格の急騰で、20代が貯蓄だけでソウルで家を買うには100年がかかるという試算があるほど、20代は「史上最も貧しい世代」と言われているのが現実である。さらに、男性には経済的な責任を求める社会的な雰囲気から20代男性には絶望感しかない。
ほかにもさまざまな原因があるが、そこに共通するのは、「男性は逆差別を受けている」という認識である。
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