40代先輩ワーママがプレッシャーです 「上を目指せ」「そこまで働きたくない」の激突

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こんなアホらしい「vs.」の発想を捨てて、お互いの価値観を「その人にとって正解」と認め合えるようにならないと、内輪もめによって女性の地位は下がってしまうかもしれません。私たち自身が主体的に「ダイバーシティマネジメント」を意識すべきなのではと思うのです。

あなた以外の働き方も、肯定しよう

もし、あなたの上司があなたにこれからもアドバイスしてくるのであれば、逆に彼女の人生をヒアリングしてみたらどうでしょう? きっと、すごく自己開示して苦労話、失敗談や武勇伝を語ってくれることでしょう。そのときの時代背景を考えてみると、「なるほどなぁ、だから私にこう言うのか」と思えることも、「なんて大変だったんだろう!」と感情移入できることもあるかもしれません。彼女の人間性を知って、尊敬できるところも見つけられるかもしれない。まずは、彼女のこれまでをリスペクトしてみることは、できないでしょうか。

そのうえで、自分の価値観についても、精いっぱい自己開示して共有してみる。議論になるかもしれないし、母親のように、「あなたのためには、こうしたほうがいいのよ」「今にわかるわよ」と、強引にアドバイスしてくることもありそうですね。でもきっと、「こんなふうに考えていたのね」「私とは違う考え方だけど、それもアリな時代だわ」と後からじわじわ感じると思うんですよね。

堂薗稚子さんの著書『 「元・リクルート最強の母」の仕事も家庭も100%の働き方』(角川書店)も発売中です

そもそも決して意地悪であなたにハッパをかけているわけではないと思うのです。あなたの価値観をきちんと聞くことで、彼女にもまた、あなたへのリスペクトの気持ちが生まれてくるのではないでしょうか。

お互いリスペクトしあったうえであれば、キャリアの相談をしても的を射たアドバイスがもらえるようになるでしょう。また両立するうえでの小さな工夫もたくさん共有してもらえ、困ったときには助けてくれる先輩になるのではないかしら。

あなたはしっかりと自分を持っているワーキングマザーなのだと思います。「女性」が社会的に祭り上げられているような時代に、ぶれずに働き続けていこうとするスタンス、本当にすばらしいと思います。だからこそかたくなにならずに、逆に「働く女性のるつぼ」の時代に生きていることを前向きに受け止め、あなた以外の働き方も肯定していくことが、あなたの働き方を、より豊かにしなやかにしてくれるのではないでしょうか。

上司はあなたの働き方を否定している、と思うのではなく、あなたを応援していて、経験値を伝えたいのだ、と思ってみることができれば、あなたの選択肢はさらに広がっていくかもしれません。

どうか、「自分と違う」多様な働く女性同士、お互いを認め合えるようになりますように。あなたにもそんな気持ちになってもらえたらと思うのです。

堂薗 稚子 ACT3代表取締役

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どうぞの わかこ / Wakako Dozono

1969年生まれ。1992年上智大学文学部卒業後、リクルート入社。営業として多くの企業を担当し、数々の営業表彰を受ける。管理職として、多様な雇用形態の組織の立ち上げやマネジメント、『リクルートブック』『就職ジャーナル』副編集長などを経験。2004年第1子出産。2007年当時組織で最年少、女性唯一のカンパニーオフィサーに任用され、事業責任者、「リクナビ派遣」編集長を務める。2010年に第2子出産後はダイバーシティ推進マネジャーとして、社内外女性のメンターを務めつつ、ワーキングマザーで構成された営業組織の立ち上げ、マネジメントを担当し、彼女たちの活躍を現場で強く推進した。経営とともに真の女性活躍を推進したいという思いを強くし、2013年退職。株式会社ACT3設立、代表取締役。女性活躍をテーマに、講演や執筆、企業向けにコンサルティングなどを行っている。2013年2月、リクルート在籍時に東洋経済オンライン「ワーキングマザーサバイバル」連載に登場。FBのいいね!数が6000を超えるなど、話題となった。

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