結婚・出産で大きく変化する女子の人生は、右にも左にも選択肢だらけ。20代はもちろん、30代になっても迷いは増すばかり。いったいどの道を選べば幸せに近づけるのか? 昨年、東洋経済オンラインに登場、大反響を呼んだ元リクルート“最強の母”堂薗稚子さんがお答えします。
今回は、上司のワーキングマザーからのプレッシャーに悩む、30代女性からのお悩み相談です。
(ご相談)
育休を1年半取得して、4月から復職しました。配属先の上司が40代半ばのワーキングマザーで、価値観を押し付けてくるので困っています。
私は時短を取得しており、家庭に軸足を置いて、これまでとは違う働き方を模索中ですが、フルタイムで働く上司は、「私はこうやって乗り切った」「管理職を目指すならもっと仕事しなさい」などと、いつも私に言ってくるのです。
悪気はないのでしょうが、ため息がとまりません。残業も出張もこなし、家事や育児を外部の業者に任せてまで働く彼女のようにはなりたくないと思っている私がいます。
あんなふうに働かなければ続けていけないのなら、退職もありかなと思い始めています。こんな私はワーキングマザー失格なのでしょうか? どう対応すればよいのでしょうか?
(会社員、34歳)
そりゃ、この「バリキャリ礼賛」ムードの中ではね……
あなた、私の元メンバー?(笑)。
私のメンバーたちも少なからず同じように思っていたのでしょうねぇ。価値観の押しつけ、に感じているわけですね。自分のことを相談されて、自分で答える、みたいな気分ですが、それにしても、「その相談、なぜ私にするの?」と思うほど挑戦的に聞こえる! 拝読しただけで、すでに一緒にお酒を飲みたい気分になってきました。

写真:アフロ
とにもかくにも、あなたはまったくワーキングマザー失格なんかじゃありませんよ。まさに、典型的な悩みを抱えたワーキングマザーのおひとりだと思います。
いわゆる「バリキャリ」風のワーキングマザーが、「管理職比率向上」とか「女性活躍」とかのテーマでスポットを浴びていることに違和感を感じているのは、あなただけではなく、多くの人に共通のもやもやだと思います。
「出世」が活躍である、なんて誰も言っていないし、「上昇志向」「成長」という言葉も「出世」と同義ではないのだけれど、今の風潮は確かに、「細くていいから長く働き続けていきたい」とか、「家計を助ける程度に、家庭をメインにした働き方をしたい」とか、そういった志向の女性たちを、「じゃ、私は活躍していない女性社員ってこと?」という気持ちにもさせてしまうと思います。
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