オミクロン株で知る「ギリシア語」知られざる話 何気なく使っているギリシア語由来の単語

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ヨハネの黙示録に登場するギリシャ文字

先述のようにω(omega)は「大きいo」という意味。ο(omicron)は短母音、ω(omega)は長母音という区別のために2つのoができたそうです。このω(omega)の用例で思いつくのは、学生時代に生物の授業で習った「順位制」における動物集団の中の「オメガ」という最弱の個体のこと。「なんて残酷な!」と思った記憶があります。

ω(omega)については、新約聖書(the Christian New Testament)の「ヨハネの黙示録(the Book of Revelation)」に登場する表現も覚えておくといいでしょう。主の言葉として「私はアルファであり、オメガである(I am the Alpha and the Omega.)」という文があります。ここではα(alpha)とω(omega)がギリシャ文字の始まりと終わりであることから、「すべて」「永遠」という意味を表しているそうです。つまり、「神は永遠である」と解釈されているようです。ギリシャ文字でΑΩのように記して、このAlpha and Omegaを表すこともあるようですよ。

そう言えば、健康を気にするようになってから知ったω-3脂肪酸。ここでもω(omega)が使われていますね。サプリメントのフィッシュオイルに含まれているEPAやDHA、エゴマ油やアマニ油などに多く含まれているんですよね。このω-3脂肪酸の効能は血流改善や心疾患予防、認知症予防やコレステロール低下など、さまざまうたわれていますが、実際のところはどうなんでしょうね。筆者は取ってますけど、コレステロール値がなかなか改善しないんですよねぇ……。

コレステロールと言えば、気になる「メタボ」。英語にするとmetabolic syndrome(メタボリック・シンドローム)ですが、なんとこれも語源がギリシャ語なんです! metabolism(代謝)は、ギリシャ語のμεταβολή(metabolḗ:メタボレー)から。これは「変化」という意味。syndrome(症候群)は「同時発生する症状」という意味のσυνδρομή(sundromḗ:シュンドロメー)から。

ケーキやフライドチキンを楽しんだクリスマスに続き、年末年始は年越しそばに日本酒、おせちにもちなどおいしいものが目白押しですが、古代ギリシャに思いをはせながら、謹んでいただこうと思います。皆さんもDon’t eat too much!(食べすぎに注意!)

箱田 勝良 英会話イーオン 教務部 チーフトレーナー

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はこだ かつよし / Katsuyoshi Hakoda

1972年静岡県熱海市生まれ。1995年筑波大学国際関係学類卒業、株式会社イーオン入社。

講師として、これまでに約1万人を教える。スクールの講師を経た後、法人部教務コーディネーターとして、多くの企業の研修カリキュラム企画と講師を担当。楽天の社員の英語力研修も担当した。TOEIC(R)テスト990点満点、実用英語検定1級。

学生時代には1年間の留学以外には海外経験なしで、日本に住み暮らしながら英語力を飛躍的にアップさせた。その自身の経験を基に、現在は教務部のチーフトレーナーとして、イーオン全体の講師の研修やカリキュラム立案に関わる。

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