毎年12月に入ると、筆者は「そろそろ年賀状を用意しないと!」と焦り出し、デザイン集と年賀状を買いに本屋と郵便局に駆け込みます。そして、「今年こそは早めに書いて投函しよう」と思い立つのです。ところが、年賀状を買ったところで安心してしまうんですよね。結局、会社が休みになるまで何もせず、夏休みの宿題が終わっていない小学生のときのような気分で、年末に慌てて書くのが常。
年々、年賀状を出す人は減少しているようですが、今後は新年のあいさつをSNSで済ませるのが主流になっていくのでしょうか。妻と「うちも、もう年賀状はやめようか……」と話すものの、送ってくださる方もいるなか、なかなかやめるわけにもいかず、毎年べそをかきながら、なんとか継続している筆者です。
先日、年賀状を英語で書きたいという研修生が相談にきました。今回は、そのときの話にちなんで、年賀状で使用する英語表現を紹介したいと思います。
Aをつけないで!
東京近郊のあるメーカーでのこと。英語研修後に筆者が帰ろうとすると、社員のタロウさんに呼び止められました。「研修とは関係のない英語の質問をしても構いませんか?」と遠慮がちに差し出されたのは、英語で書いた年賀状の下書きでした。
まず飛び込んできたのが「あけましておめでとうございます」の部分。
毎年いただく年賀状のなかでもよく見かけるこの表現。実はちょっと不自然なんです。英語であいさつや祝辞などを述べる際にhappyやgoodで始めるときは、冠詞を用いないのが通常です。
○ Happy birthday! (誕生日おめでとう!)
○ Good afternoon! (こんにちは!)
Happy birthday! や Good afternoon! を誤って A happy birthday! や A good afternoon! と言う日本人はほとんどいないのに、新年のあいさつにだけ Aをつけてしまうのはなぜなのでしょう? なんだか不思議ですよね……。
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