日本の緩い企業SNSが米国でありえないワケ 「不遇な立場」にあるアメリカのSNS担当者

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小
日本ではいまや当たり前となった“中の人”や“軟式アカウント”の存在(写真:bigtunaonline / iStock)

気がつけば、企業がツイッターをはじめとしたSNSを、自社のビジネスに、とくにマーケティング方面に活用し始めてから、もう10年近く経っている。今でこそ、多くの人たちにも利用されているソーシャルメディアだが、当時は、ツイッターアカウントやフェイスブックページを開設するというだけでプレスリリースが1本打てるくらい珍しいものであり、それこそいろいろな意味で注目を集めるものだった。

だが、当時多くの企業にとって、ソーシャルメディアは、まさに未知なる世界そのものだった。そもそも、どんな目的に使えるのか、そして、どのような効果が得られるのかさえわからず、企業は、この得体の知れないモノと、どう向き合い、また、どう関わっていけばよいのか、まったく見当もつかない状況にあった。

日本の企業SNSは「個性が強い」

そんな中、一部の企業で、日頃からユーザーとしてソーシャルメディアを利用している社員が、(多くは“個人の活動”という形でひっそりと)独自のやり方で試行錯誤を行っていくなかで、企業のSNS活用のノウハウが少しずつ出来上がってきた。もっとも、初期の頃は、今だったら考えられない、まさに大炎上必至な失敗も多々起こったが、それは日本でもアメリカでも、あまり変わらなかったはずだ。

そうやってトライ・アンド・エラーを経て育ってきた個人のノウハウが、マーケティング系のイベントやセミナー、あるいは、関連のメディアや書籍などを通じて徐々に広まり、やがて企業のソーシャルメディア活用におけるスタンダードという形で確立されてきたような気がする。

このような形で確立されてきた方法論のなかでも、“中の人”や“軟式アカウント”などは、ある意味非常に日本独特のものだと言ってもいいだろう。特にこの両者は英語で説明するのが非常に難しい。なぜならアメリカに、それに相当するようなものが見当たらないからだ。

次ページ個性の薄いアメリカの企業SNS
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事