年賀状の「A Happy New Year」は実は誤りだ 多くの人がやりがちなミスと理由を考える

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12月に入るとよく耳にするあのクリスマスキャロル、

We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
We wish you a merry Christmas,
And a happy New Year.

(クリスマスおめでとうございます
クリスマスおめでとうございます
クリスマスおめでとうございます
そしてよいお年を)

皆さん、ご存じですよね? 

例の歌が原因?

「クリスマスおめでとう(原題 We Wish You A Merry Christmas)」という歌なのですが、このサビの最後の部分 And a happy New Year から、「あけましておめでとう(よいお年を)=A Happy New Year」になってしまったのではないかと筆者は想像、推測するのですが、皆さんはどう思われますか?

もちろんこのキャロルにかぎったことではなく、そもそもHappy New Yearというフレーズは、クリスマスの祝辞と一緒に使われることが多いのです。その観点で考えると

I wish you a merry Christmas and a happy New Year. (楽しいクリスマスとよい新年をお迎えになられますように)

という決まり文句から同様の勘違いが発生した可能性もおおいにありますよね。

まあ、間違いが広まった原因はともあれ、こんなふうにキャロルの歌詞やフレーズの中ではAがついているのに、どうしてあいさつではつけてはいけないのかと疑問に思う方もいるかもしれませんね。

これは、このフレーズを文中で使っているのか、独立したあいさつとして使っているのかが決め手になるのです。I wish you…Have…などと一緒に使うときには、あくまでも文の一部ですので、きちんと冠詞を使用しなければならないのです。

  I wish you a happy New Year. (あけましておめでとうございます)
✕  I wish you happy New Year.
○  Have a merry Christmas. (楽しいクリスマスになりますように)
✕  Have merry Christmas

ただ、面白いことに

○  A happy New Year to you all. (みんな、よいお年を)
○  A merry Christmas to everyone of you. (皆さんおひとりおひとりに、クリスマスおめでとう)

という言い方では、Aを使用できるんです。これらも、ほぼあいさつのような感じなのに、ここではAがつくって妙ですよね。うしろにto…とフレーズが続くことで、響きが文のようになるからかもしれませんが、筆者も真相はわかりません。

これらを説明すると、タロウさん、ビックリして「今まで、ずっとA Happy New Yearって書いてました!」と苦笑い。「でも、ユーミンの曲にもA Happy New Yearっていうのがありますよ! あれも間違いですか?」とのこと。その部分だけを取り上げると、誤りに聞こえますけどね。その歌、筆者は知らないのでなんとも答えられませんでした。

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