HowよりWhyを聞くほうが話を引き出しやすい訳 インタビューのプロが明かす専門家取材の流儀

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たとえ専門的知識がなくても恐れる必要はありません(写真:YUJI/PIXTA)
コミュニケーションがうまくいかない場合、人はネガティブな側面に目を向けがちです。「英語がうまく話せないから」。「その分野での知識がなかったから」。果たして本当にそうでしょうか? 
プロのインタビュアーは、さまざまな分野の人に日々取材をしています。そしてたとえ英語が話せなくても、その分野に精通していなくても、相手の話を引き出すことができるのです。ではその秘訣とは、なにか?
上阪徹氏の著書『引き出す力――相手が思わず話してしまうひとつ上の「聞く力」』から紹介します。
前々回:苦手な相手からうまく話を引き出せる人のスゴ技(1月1日配信)
前回:3000人超を取材した男の「話の引き出し方」絶妙技(1月8日配信)

英語を話す人への取材は英語でなくてもできる

英語はまるっきりできない私ですが、外国人のインタビューも数々、行ってきました。質問は日本語で、通訳に入ってもらい、インタビューを進めていくのです。

印象に残っている取材にスターバックスの実質的な創業者で元CEO、ハワード・シュルツさんのインタビューがあります。大物だけに、ついてくださったのは同時通訳。片耳に引っかけるヘッドフォンを渡され、逐次通訳が行われる。テレビの中継などで耳にすることがある、まさにあれです。

本来であれば、英語ができて、英語でインタビューするのが相手も心地よいことなのか、とも想像していたのですが、案外そうでもないようです。私は日本人に向かうように、顔を見ながら日本語で語りかけますが、十分にいいインタビューができます。

ハワード・シュルツさんのときも、ポンポンとどんどんインタビューを続けていったのですが、なんと終わった後、この言葉とともに、握手を求められたのです。

「いいインタビューだった。シアトルで会おう」

リップサービスかな、と思っていたのですが、実際に私はこの後、シアトルでも彼にインタビューすることになります。スターバックス本社、さらにはイチロー選手のグッズが飾ってある執務室を見せてもらえたことは、とてもいい思い出です。

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