高学歴の親が「わが子を無茶ぶりで潰す」納得理由 「見込みの評価」はなぜそこまでズレるのか
「やる気」は「期待」と「価値」のかけ算で決まる
目標を決めて、それを達成していく――仕事や勉強における大きな楽しみだと思います。高学歴で、仕事でも成功している「勝ち組の親」ならなおさら、この楽しさをよく知っています。「わが子にもそれをわかってほしい」「目標達成の楽しさを教えてあげたい」と考えるのは自然なことです。
しかし、ここにもまた大きな落とし穴があります。落とし穴とは、目標の難易度設定を間違えてしまうことです。
目標の適切な難易度は、やる気を高めるうえで欠かせません。どの程度の難易度がちょうど良いかを考えるうえで参考になるのは、アメリカの心理学者、ジョン・ウイリアム・アトキンソンが考案した「期待・価値理論」がとても参考になります。
「期待・価値理論」では、「やる気は、期待と価値のかけ算で決まる」と考えます。ここで言う「期待」とは、目標が「どのくらいの確率で達成できそうか」という見込みで、「価値」とは、その目標が「自分にとってどれだけ重要だと感じているか」という評価です。
中学受験を目指して勉強している小学生なら、どれくらいやる気になるかは、「志望校に合格する見込みがどれだけあるか」と、「その志望校がどれくらい魅力的か」によって決まるということです。
そして、ここが重要なポイントなのですが、「やる気は期待と価値のかけ算で決まる」のですから、どちらかがほぼゼロであれば、もう一方が高くてもやる気は湧いてきません。
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