ハッピーカムカムのように会員数が数百人規模の結婚相談所ならば自社会員同士のお見合いも可能だが、会員が数十人程度ではちょうどよいカップルを組み合わせるのは難しい。そこで、会員情報共有システムを使ったマッチングの他に、小規模の結婚相談所同士で直接やり取りすることが必要となるのだ。
「私の会員の場合、9割ぐらいはサイト(所属連盟の会員情報共有システム)で組んだお見合いで結婚が決まっています。条件が難しくてサイトではお見合いが組みにくい人の情報は、プロフィール交換会に持って行くことがありますが、お見合いはできても結婚まで進むケースは多くありません。手組で結婚の確率が上がることはないのです。現代では、本人同士が会ったときのフィーリングが何より大事。結局、結婚できる人はちゃんと動いてたくさん出会っている人なのです」
東洋経済オンラインの連載「仲人はミタ」の筆者であり、結婚相談所「最短結婚ナビ」を運営する鎌田れいさんは、筆者の楽観的な仮説をやんわりと否定する。プロから見て釣り合いがとれているからと言って、本人同士がお互いを異性として好きになれるとは限らないのだ。この点は、家同士の結婚という意味合いが強かったかつてのお見合い結婚とは異なる。
ただし、仲人同士が信頼関係を築いて情報交換をすること自体は大きな意味がある。会員にとっても優良な情報が入りやすくなるからだ。
プロ同士が交換する情報とは…
「サイトには会員を登録してないような地域密着型のご高齢の仲人さんがすごい好条件の会員さんを持っていることがあります。地主の息子、とかですね。そういう情報にはプロフィール交換会に出なければ触れることができません。また、仲のいい仲人同士ならば、(サイトに公開する)プロフィール以外の会員情報も口頭で交換することができます。親が大病を患っていて本人が早く結婚したがっている、などの細かい情報です」
こうした裏情報を得ておけば、条件的に多少の背伸びをすることも可能だ。他の相談所の会員の交際状況を聞き、「その交際がもしダメになったら私に教えて」と頼んでおけば、絶妙のタイミングで自社会員とのお見合いを組めたりもする。
自社会員だけでなく、相談所仲間の会員の条件や状況もできるだけ把握し、機を逃さずにお見合いを組んだり適切な助言を行う。これが成婚率の高い優良な結婚相談所の機能である。だからこそ、仲人同士の交流と信頼関係が大事なのだと鎌田さんは強調する。
「普段親しくしている相談所からうちの会員に関する問い合わせが来たら、『彼女はすごく心細くなっているから狙い目よ』などと伝えることができます。でも、まったく知らない相談所から何か聞かれても型にはまったことしか教えられません」
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