千鳥は大阪に帰るべきか、という「問題解決型」議論
「アメトーーク」には、「家電芸人」「広島カープ芸人」「中学の時イケてないグループに属していた芸人」など、共通の特性を持つ芸人を集めてトークをする回が多いです。そこで悩みを語り合ったり、マニアックな知識を披露したりします。
ハーバードにも、もちろん「お悩みトーク」をする授業はありますが、それはそんなに多くはありません。主流は、「問題解決型トーク」。「アメトーーク」で言うと「どうした!?品川」(2012年9月13日放送)や「帰ろか…千鳥」(2014年9月4日放送)がこれにあたります。ともに東野幸治さんのプレゼン企画です。どこがどう似ているのか。名作「どうした!?品川」はあまりにも有名なので、先日の「帰ろか…千鳥」を例に説明します。この日は次の論点で議論が進められました。
こうした問題設定は、「スターバックスはオーストラリアから撤退すべきかどうか」といった問題と同じ。製品=千鳥がある特定の市場=東京を撤退するかどうかの議論で、ハーバードで喧々囂々議論してもおかしくありません。。
番組では、千鳥の芸人人生が2000年のデビューから「上昇期」(2003~2010年)、「絶頂期」(2010~2012年)、「ピカル期」(2012~2013年)、「帰ろか‥期」(2013年~現在)と年表で示されていきます。まさにひとつのベンチャー企業の創業からの年表を見るようで、ここに売り上げグラフがあったら、さらにハーバード流となります。
また、「どこが問題か」を「ここがダメだ」「こうしたらいい」と、本人の前で議論するというのも同じ。ハーバードでもよく事例に取り上げられた経営者がゲストとして招かれますが、その場合も本人の目の前で議論するのです。
「アメトーーク」では、「どうした!?品川」も「帰ろか‥千鳥」も問題を設定したら、番組なりの結論を出してくれます。結論部分はスタッフと出演者で考え抜いていると思いますが、どれも「そうだよ、そうだよ」と思える結論で、視聴者としてはスッキリすることこのうえない。ハーバードの議論は結論が出ないことが多いですが、最後は教授がうまくまとめてくれますから、こちらも「問題解決」という目標を達成する点では共通しています。
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