「マツコ&有吉」人気の裏に"2層構造”?

深夜にテレビを見ない層が『怒り新党』にハマる理由

60代の著名な大学教授にお会いしたときのこと。ひょんなことでテレビ番組の話になりました。

「先生、最近、どんなテレビ番組をごらんになっているんですか?」

すると、教授は、海外ドラマの名前を挙げた後で、

教授:「マツコ&有吉の怒り新党」(テレビ朝日系)、あれは欠かさず見ているよ!
私:私も毎週見ていますよ。でも番組後半の「新・3大」はあまり、見ないかな……
教授:君、何言ってるの? 「新・3大」が面白いんじゃないか。

えーー! 私は前半にはまっているのに、先生は後半?

筆者の知人の中には、この番組が好きという人がけっこう多いのですが、女性は圧倒的に前半の「お悩み相談」にはまり、男性は後半のマニアックな映像が並ぶ「新・3大○○調査会」にはまっている。

水曜の夜11時15分という放送時間にもかかわらず、10%以上の視聴率を獲得しているのは、「新・3大」目当ての男性は「前半はいらねーな」、「お悩み相談」目当ての女性は「後半、いらないわ」と思いながらも、結局、全部見てしまっているからではないでしょうか。そこには、普段あまりテレビを見ない男性エリート層と、深夜にあまりテレビを見ない女性層がかなりいるように感じます。

疲れた女性たちを癒す、マツコの”弱者愛”

主に女性がはまっている前半は、マツコ・デラックスさんと有吉弘行さんに、視聴者が日頃、腹立たしく思っていることについて、意見を求めるコーナー。マツコさんと有吉さんが「採用=腹が立ってごもっとも」「不採用=こんなことで怒るのはおかしい」「保留」を決めていきます。

筆者が特に前半のトークコーナーに好感を持っているのが、マツコさんが、毎回、お菓子を用意するアシスタントディレクターの女性(通称:お菓子ちゃん)にとても気を遣っているところです。お菓子ちゃんは、全国各地から珍しいお菓子を用意する係なのですが、マツコさんは、彼女の用意したお菓子をよく褒めるし、若者ネタなどでは彼女に話をふることもあります。

アシスタントディレクターは、番組制作スタッフのヒエラルキーの中ではいちばん下で、最も過酷な仕事をしている人たち。出演者によっては、プロデューサーにはぺこぺこするのに、こうしたアシスタントディレクターには横柄な態度をとる人もいます。そういう出演者は、あっという間に芸能界から消えていくのが定石です。番組は出演者だけで制作しているのではなく、スタッフ全員と出演者で制作しているからです。

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