「ソニー」と聞いて、テレビやAV機器、ウォークマンを連想するのはかなりの年配だろう。それより下の世代にとってはゲーム機メーカーかもしれないし、音楽・映像業界のイメージを持つ世代もいるはずだ。
いまもソニーは変わり続けているので、グループ全体の業容を把握することはむずかしい。しかし、説明会ではむずかしい説明を上手に行っているようだ。
「内容がごちゃごちゃしていない」(理系・旧帝大クラス)
「業種やグループ会社の個別相談会も並行して行われたので、自分の興味のある職に関して詳細に知ることができた」(理系・旧帝大クラス)
説明会で登壇する社員を若手から起用する企業は多い。年齢が近い若手社員の経験は、学生の近未来のキャリアなので共感を得やすいというメリットがある。しかし、ソニーの説明会で登壇するのは多様な年齢、職階の社員だ。たぶん学生にとって、かなり年上の社員の話は企業の安定的なイメージに繋がるはずだ。
「幅広い年齢層の社員の方が話していた」(理系・その他国公立大)
「社員同士が仲良い感じが伝わってきた」(理系・旧帝大クラス)
製品イメージと同様の好印象
説明会に関するコメントを読んでいると、よく製品を知り使っている企業の場合、そのイメージが説明会への評価に影響していると感じられることがある。今回の調査では8位のカゴメがその典型だ。
「人事の方が優しく、会社全体もよい印象を受けた」(文系・その他国公立大)
「笑顔の多い説明会だった」(文系・早慶大クラス)
「誠実な印象だった」(理系・上位私立大)
みんながよく知っている製品とは家電、自動車、そして食品だ。カゴメはトマトケチャップ、トマトジュースやソースの食品メーカー。「誠実」「優しい」「人柄」という言葉は、製品への「信頼」とつながっている。これはカゴメのブランドイメージに近いはずだ。
9位の博報堂/博報堂DYメディアパートナーズは日本を代表する広告代理店だ。広告というと、テレビ、雑誌、新聞などのメディア広告が代表的だし、現在ではネット広告の存在感が増している。メディアがあれば広告がある。だれもが観て聴いており、知っている。ただし、広告が制作されていく裏側は見えない。博報堂の説明会に出れば、裏側を教えてくれる。面白いに決まっている。
「ライブ形式で1日かけて行われたのだが、さまざまな部署、年齢の社員の方々が登壇して話をしてくれた。とても雰囲気が伝わり、こちら側の質問にも多く答えてくれた」(文系・早慶大クラス)
「この広告をこの会社がしていたのか、とびっくりしたし、長時間の説明会にもかかわらず時間が一瞬に感じた」(文系・上位私立大)
丸一日の説明会なのに、退屈する学生はいない。もっとも広告代理店は演出のプロフェッショナルだから、学生が夢中になるのは当たり前かもしれない。
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