拝啓、高額ギャラのチャリティランナー様 24時間テレビ…こんな”感動”でいいのか?

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どうせなら、本気の24時間マラソンが見たい

チャリティランナーに城島を起用したことについて、日本テレビの道坂忠久総合プロデューサーは「日本中が応援したくなる人。40代の代表として、元気と勇気を与えてくれるのでは」と話している。TOKIOが今年、デビュー20周年というのも理由のひとつらしい。城島氏の人柄はすてきだと思うし、大役の人選としては悪くないが、視聴者の意見が反映されているとも思えない。それではどうしたらいいのか。絶対に盛り上がる方法を考えてみた。

もし本気の24時間マラソンを視聴者に届けたいなら、川内優輝(埼玉県庁)にオファーしてほしいと思う。川内は公務員規定で出演料を受け取ることができないわけだし、日本トップクラスのランナーが本気で走るとどうなるのか。そこにはただの(練習不足の)タレントが走る姿とは、まったく違う光景が見られるはずだからだ。

また、有名無名を問わず公募制にするのはどうだろう。「エントリー費」(個人の寄付金)と「24時間で走る目標距離」を宣言してもらい、「応募の理由」も発表。そのチャレンジに賛同した人が寄付をして、いちばん寄付金を集めた人にチャリティランナーとして番組に登場してもらうのだ。

有名人が多く参戦すれば、AKB総選挙のような盛り上がりが期待できるだろう。ギャラがかからないどころか、スタート前から多くの寄付金が集まり、視聴者が見たい人も登場させることができる。視聴率も自然と高くなり、さらに多くの寄付金を集めることができるはずだ。

もちろんコースは秘密にするのではなく、400mトラックや神宮外苑などの周回コースにして、多くの観衆が見守る中で走ってもらうのがいいだろう。その走りに感動した人がさらに寄付金を払ってくれるだろうし、たくさんの声援がランナーの力になるからだ。

24時間テレビのチャリティマラソンは1992年にスタートして、過去22組のランナーが挑戦している。ゴールシーンの瞬間視聴率が40%近くまでハネ上がることを考えれば、番組作りとしては成功しているといえる。ところで、24時間テレビで集まった寄付金がなにに使われているのかご存じだろうか。「アイス・バケツ・チャレンジ」もそうだが、目の前のパフォーマンスに流されて“中身”を確認しないで寄付を行うのは賢者の選択とはいえない。

世の中には寄付金を必要とする人や団体がたくさんある。でも、僕らのポケットの中には、限られたコインしかない。そのわずかなコインを世の中のためにどう使うのか。自分自身で“優先順位”を設けて、清く正しく、チャリティに参加していただきたいと思う。

酒井 政人 スポーツライター

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さかい まさと / Masato Sakai

東農大1年時に箱根駅伝10区出場。現在はスポーツライターとして陸上競技・ランニングを中心に執筆中。有限責任事業組合ゴールデンシューズの代表、ランニングクラブ〈Love Run Girls〉のGMも務めている。著書に『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』 (oneテーマ21) がある。

 

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