城島氏は20年以上も芸能活動をしてきたのに、わざわざ不得意なランニングでチャリティ番組に参加することはないと思う。彼にしかできないことで、チャリティ活動をすることのほうが、100倍意義があるし、ファンにもその思いが伝わるはずだ。芸人なら芸で、歌手なら歌で、一般人にはできないプロとしての“技”で、多くの視聴者に「チャリティ」の真心を伝えるべきだと思う。
チャリティの“貢献”とは何を意味するのだろう。仕事における“価値”とはなんだろうか。ほかの人にはできないようなミッションを成功させるならば、そこに高額な報酬が発生するのは当然だ。しかし、さほど難しくないミッションなら報酬は少なくなる。健康な40代が24時間で101kmを走る(歩く)ことは、それほど難易度の高いものではない。
東京マラソンを放映(2年に1回)している日本テレビの上層部は、いいかげん、走ることは“罰ゲーム”ではなくなっていることに気づくべきだ。シドニー五輪女子マラソン金メダリストの高橋尚子が「24時間で100曲を熱唱します」と言って視聴者が喜ぶだろうか。40代のアイドルが24時間で101km走ることは、これぐらい無為な企画だということを知ってほしい。
盛り上がる、100kmマラソン熱
近年のランニングブームもあり、100kmマラソンの人気は高まっている。たとえば、毎年6月に北海道で開催されるサロマ湖ウルトラマラソンは、100kmの部の3550人の定員に応募があった(先着順。制限時間13時間、参加料は1万7000円)。
10月に20回目を迎える四万十川ウルトラマラソンは100kmの定員1650人に対し、4863人が申し込み、抽選となった。こちらは制限時間14時間で、参加費は1万8000円。参加費の一部が四万十川の清流保全のために寄付される。
24時間マラソンで101kmに挑む城島はTOKIOのメンバーでは最年長の43歳。その年齢を心配するファンもいるようだが、市民ランナーの世界では40代前半はいちばん充実している時期でもある。100kmマラソン完走者のボリュームゾーンは40代だ。制限時間などを考えると、城島氏が取り組む101kmというマラソン(ウォーク)は涙を誘うべきものではない。試験勉強をしてこなかった人が、直前に徹夜して頑張っているのを応援している構図に似ている。しかも、そのご褒美は高額ギャラだ。
チャリティ番組において、自分の意思で走るならギャラは不要だと思うし、反対に参加費(寄付金)を払うべきだろう。徹底したサポートつきで、ゴールには著名人が迎えてくれる出場枠「1」の超狭き門。エントリー費は高額にしてもいいと思ってしまう。
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