今年2月の東京マラソン。エントリー人数は30万3450人、抽選倍率が約10.3倍と過去最高を記録した。いつの間に日本人はこんなにも走るようになったのか。もはや日本はランニング大国――そういってもおかしくないほどの盛り上がりだ。
日本で最もメジャーなRUNスポット、皇居周回コースでは、夜な夜な“ランナー渋滞”が起きている。千代田区によると、平日18~21時の3時間で、実に約4000人ものランナーが皇居の周回コースを走っているという。
この“皇居ランナー”について、面白い調査がある。ランニング専門誌『ランナーズ』が独自に行った調査で、「皇居を走る男性ランナーの半数以上が年収700万円以上」という結果が出ているのだ。
“デキる”ビジネスパーソンが走るのは、なぜか? これまで筆者は、五輪のメダリスト、日本のトップ選手、モデル、芸人、経営者、それからビジネスマンまで、数百人のランナーを取材してきた。その経験から、このコラムではその謎について考えてみたいと思う。
文化系の人ほど、ハマりやすい?
これまで多くのランナーに走り始めたキッカケを尋ねてきたが、直接の理由として最も多く挙げられるのが「ダイエット」だ。見た目を気にすることができる人は、ビジネスパーソンとしても優秀な要素のひとつであることは間違いないだろう。それに仕事などで多忙な中、ランニングを継続するのは、工夫や努力なくしてはできないことだ。
また、ダイエットの方法としてウォーキングではなく、ランニングを選んだ人は「効率」を求める人が多いともいえる。ペースの速度などによって変わってくるが、例えば60分間の運動でいえば、ランニングはウォーキングの約4倍も効率よくエネルギーを消費することができるからだ。
多くのランナーを取材してきて、気づいたことがある。意外なことに、学生時代は文化系だった人のほうが、RUNにハマりやすい傾向があるのだ。
ランニングを開始した当初は、1km走っただけで苦しかったのが、徐々に走れる距離が延びると楽しくなってくる。レースに出るようになれば、今度はタイムを短縮することが、喜びに変わっていく。その「スタートライン」が低いほど、伸び率は高くなるからだろう。
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