夏が近づくにつれて、自分のボディラインを気にする人が多くなる。テレビCMでも、ダイエット系の「トクホ」飲料や、スリム系のエステなどが一段と華やかだ。
これは毎年のことだが、この事実はいったい何を物語っているのか。毎年のようにダイエットをしているのに、実際は「成功」している人が少ないのではと思い、ちょっと調べてみた。すると、面白いデータが見つかった。
アメリカの大手リサーチ会社が、ダイエットについて6万人を超える男女からアンケート調査をした。その結果、「医師から生活習慣病と診断された」など深刻な動機でダイエットを始めた人は「73%」という高い成功率を誇っていた。しかし、「カッコよくなりたい」「健康のためにもう少しやせたい」という比較的ライトな理由でダイエットをした人の成功率は「8%」しかなかったのだ。
一般的なダイエッターは9割が「失敗」する。この数字はなかなか興味深い。では、なぜダイエットは成功しないのか。そこにはふたつの大きな理由があると著者は感じている。ひとつは「ダイエットは簡単ではない」ということ。もうひとつは「本質を見失っている人が多い」ということだ。ふたつの要素を詳しく解説する前に、まずは「なぜ太るのか」を簡単に説明しておきたい。
同じ食生活でも、1年で6kg増
太るメカニズムは非常にシンプルだ。毎日の消費エネルギーより、摂取エネルギーが上回ると、体脂肪として体内に蓄えられる。20代で太る場合は、食生活の乱れと運動不足が大きな原因。これは自分でも認識できている部分だろう。
しかし、30歳を過ぎたころから、別の要因が“自然発生”してくる。特に運動をしていなければ、筋肉量は20歳ごろをピークに、加齢とともに落ちていく。筋肉は消費エネルギーが大きいので、筋肉量が減ると自然と消費エネルギーも少なくなっていくのだ。
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によると、体重70kgの男性で比較した場合、18~29歳では1日の基礎代謝量(安静にしていても生命活動を維持するために消費しているエネルギー)が1680kcalあるが、30~40歳代では1561kcalと1日で119kcalの差がある。
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