ダイエット失敗は、"シロクマ理論"のせい? 9割の人が失敗する原因と、成功へのアプローチ

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鍵はランニング、そして“ビッグスリー”?

有酸素運動はウォーキングも悪くはないが、効率を求めるならランニングのほうがずっといい。ウォーキングのおよその消費カロリー(kcal)は「体重(kg)×歩いた距離(km)÷2」で計算することができるので、体重70kgの男性が3km歩くと、約105kcalを消費したことになる。ちなみに3kmは早歩きでも30分ほどかかる。

では、その時間をランニングに切り替えるとどうなるか。1km6分ペースで走れば、30分で5kmを走ることができる。ランニングのおよその消費カロリーは「体重(kg)×走った距離(km)」で計算することができるので、消費カロリー(kcal)は350kcal 。同じ30分間の運動なら、ランニングはウォーキングの3倍以上も効率よくカロリーを消費することができるのだ。

ちなみに呼吸が乱れるほど速く走ると、無酸素運動の要素が強くなるので、体脂肪は燃焼しにくい。笑顔で会話できるくらいのペースで走るとちょうどいいだろう。

では、「筋トレ」は何をすべきなのか。カラダの中で最も大きい筋肉である「大胸筋」「大腿四頭筋」「背筋」の“ビッグスリー”を強化する種目を行うと効率的だ。種目でいうと、「ベンチプレス」「スクワット」「デッドリフト」になる。

付け加えるなら、筋トレは毎日やるのは逆効果だ。筋肉は一度破壊されることで、さらに強くなろうとする。これを「超回復」という。この流れを繰り返すことで、筋肉は大きく、強くなっていく。運動強度や筋肉の部位によって変わってくるが、一般的に超回復するには48~72時間が必要になる。だから、筋トレは中2日ほど空けて行うのがベストタイミングだ。

ダイエットもビジネスも目の前の数字に踊らされてはいけない。「本質」を見失わずに、努力を重ねていけば、必ず「成功」に近づくことができる。くれぐれも、同じ「失敗」を繰り返すことだけはしないでほしい。
 

酒井 政人 スポーツライター

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さかい まさと / Masato Sakai

東農大1年時に箱根駅伝10区出場。現在はスポーツライターとして陸上競技・ランニングを中心に執筆中。有限責任事業組合ゴールデンシューズの代表、ランニングクラブ〈Love Run Girls〉のGMも務めている。著書に『箱根駅伝 襷をつなぐドラマ』 (oneテーマ21) がある。

 

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