体重が1kg増えるには、約7200kcalが必要になるため、あくまで単純計算だが、アラフォーになっても20代と同じ食生活を続けていれば、2カ月で約1kg。1年で約6kgも体重が増える計算になる。
太るメカニズムを理解できたところで、本題に入る。では、なぜやせにくいのか。ひとつめの理由を紹介したい。
太る一因、“シロクマ”理論
ダイエットを成功させるためには、適度な運動と食事制限が有効であることは、みんな知っていると思う。でも、この食事制限が最初の難関なのだ。なぜなら、人間は「してはいけない」ことを無意識にしてしまうからだ。
ウェグナーという心理学者が行った実験として有名だが、「今日1日、絶対にシロクマのことを考えないでください」と言われたらどうだろう。それまで、シロクマのことなんて、まったく頭の中になかったはずなのに、「考えてはいけない」と言われたとたんに、シロクマが頭の中から離れなくなってしまう。
これを食事制限に置き換えると、「食べてはいけない」と思えば思うほど、余計に食べたくなってしまうのが自然なのだ。たとえば、「高カロリーなとんかつとカレーライスは食べない」と自分で決めたとたんに、カツとカレーが気になって、やがてカツカレーを食べに行くことになる(笑)。
これを「皮肉プロセス理論」という。考えないように意識している時点で、すでに考えてしまっているわけで、それだけ食事制限はストレスが大きい。
ダイエットがメンタル的に厳しいことがわかったと思うが、仮に減量が成功しても、次の“刺客”が襲ってくる。今度は人間が備え持つ「ホメオスタシス」だ。生体恒常性とも言い、急激なカラダの変化に対応して、元の状態に戻そうとする機能のことだ。
つまり、せっかく順調に体重が減っても、カラダは体重を増やそうとする。俗にいう「停滞期」だ。ホメオスタシスは1カ月で体重の5%以上増減すると、最大限に働くといわれている。体重70kgの人なら3.5kg。ここでくじけると、体重は元に戻りやすい。この状態で皮肉プロセス理論に敗れたらどうなるのか。すぐにリバウンドしてしまうことになる。
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