厳しい「しつけ」で子どものやる気を奪う親の盲点 「しつけ」と「押しつけ」の決定的な違い

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子どもに厳しくした結果、物事に積極的に取り組もうとしなくなった。子育てにおける、「しつけ」と「押しつけ」の決定的な違いとは(写真:buritora/PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

小学校1年生の母です。小学校入学後、親の焦りで勉強を習慣づけたいあまり、厳しく叱り、「やることをやらないなら楽しいことはできない」「嫌なことから逃げたらダメだ」と夫婦で厳しく教えこんできてしまいました。最近では、学校の宿題に限らず、生活のいろんなことを積極的に取り組もうとしなくなってしまいました。しつけと押しつけの差がわからず、また親が導いていくべきところと放任との境目がわからず、子どもと向き合うのが怖いです。どのようにすればいいでしょうか。
(仮名:小幡さん)

人によって基準が異なる「しつけ」と「押しつけ」

子育てにおける「しつけ」と「押しつけ」、その違いを区別することは難しいですね。親が「しつけ」と思っていても、子どもには「押しつけ」と受け取られていることも多いでしょう。

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親によっても、その認識はまちまちです。「人がいるところでは騒がない!」と叱る親を見て、あの親はしっかりしつけていると思う人もいれば、人様の迷惑になっていないのだからやりすぎでは、と思う人もいるでしょう。

また、学習習慣をつけることは「しつけ」の一環として考える人もいますが、やりたくない勉強を無理矢理やらせることは「押しつけ」と考える人もいます。つまり、人によって、しつけなのか押しつけなのか、その基準はかなり異なります。

一般的に「しつけ」とは、人間社会の規範や規律、礼儀作法、慣習にあったことができるように訓練することを指します。生活の中における教育、という意味も持ちます。

しつけ自体が虐待を意味するという専門家もおり、否定的に言われることもあります。しかし子どもが将来、自立した社会生活を送るために生活上の教育は必要で、それ自体を否定する人は少ないのではないでしょうか。

問題は、そのあり方がわからず、親子間で多くすれ違いが起きてしまうことです。いったいどうすればいいのか。以下、筆者がこれまで5年間で7000人以上の保護者の相談を受けてきたケースから、考えてみたいと思います。

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