「応用力がない」の地獄にハマる子が知らない見方 ひたすら応用問題をやっても解決しない

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「応用力がない」とは一体何なのでしょうか?(写真:Fast&Slow/PIXTA)

※石田勝紀先生へのご相談はこちらから

小5の子どもがいます。応用力がなくて困っています。特に算数の応用力がありません。基本的な計算や知識があっても、文章題や応用問題になると手が止まります。教えても、よくわかっていないようです。このような子どもに応用力をつけさせるためにはどうしたらいいでしょうか。(仮名:安藤さん)

結局、「応用力」とは何なのか

応用力という言葉は、勉強の世界のみならず仕事上でもしばしば使われる言葉です。「基礎力・応用力」と言うように、基礎との対比で使われることがあります。

辞書では「すでに得た知識を使って、新たな事柄に対応する力。与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する力」と書かれていますが、ではそれは何なのかと言われると、具体的には浮かびにくいのではないでしょうか。

「応用力の前にまずは基礎力が大切」と言われる程度で、漠然と語られることも少なくありません。

では、その応用力とはいったい何なのでしょうか?

過去4000人以上を指導してきた経験も踏まえ、筆者は以下のように考えています。

「複数の問題から共通部分を見出し、それを初見の問題に当てはめる力」

2つのステップで説明します。

【ステップ1 複数の問題から共通部分を見出す】

よりシンプルに言えば「いくつかの出来事の共通点を見つけて、ルール化すること」です。少し難しい、専門的な言葉では「帰納法」といいます。

例えば、算数の問題が1ページに10問あったとします。応用力がない子は、この10問の問題を見て、すべて数字や形が異なるので、「すべて違う問題」と認識します。ですから、共通部分はわかりません。そうなると、10問の解き方をすべて覚えなければならないため、頭脳にはかなりの負担がかかります。文章題にしてもそうです。新しい問題がまた一つ出てきたという認識しかできないため、すべての問題を“覚える”必要があります。

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