日本に多い「意見の違う相手を攻撃する人」の特徴 いつから私達は他者を思いやれなくなったのか

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自分と意見が合わない人を容赦なく非難したり、攻撃したりする人が増えている気がしないか(写真:kouta/PIXTA)
自分の意見に合わない人に対して容赦なく非難し、攻撃する――そんな人が以前より目につくようになってきている。なぜ「寛容の精神」を持たない日本人が増えているのか。企業のメンタルヘルス研修の草分けとして活躍してきた見波利幸氏が、新著『平気で他人をいじめる大人たち』(PHP新書)でその背景を語っている。該当の部分を抜粋して公開する。

他人をいじめる人の「特徴」

最近は「自分が正しい」と主張してそれに従わない人をいじめる人が、増えている気がします。では「自分が正しい」と主張する人たちは、本当に自分の意見を持っているのでしょうか。誰かの借り物ではない「自分の意見」とは、自分の頭で考え抜いたあとに、ようやく出てくるものです。

そのように考えると、他者を思いやることができず、いじめても良心の呵責(かしゃく)を感じない人たちが、本当の意味での自分の意見を持っているのか、はなはだ疑問です。なぜなら、自分の頭で考えることができるのならば、当然、自分のことだけではなく他者に思いを馳せることもできるはずだからです。

「世間の常識」や「権威(自分の会社の上役、ボス的存在のママ友など)」に従って、権力者や世間の常識の代弁人となって力をふるっている人は、はたして自分の頭で考えているのでしょうか。自分とは違う立場の人々や、自分と違う意見を持つ人々の気持ちを想像することができる人こそが、自分の意見を持てるのだと思います。

では、権力者の言うことや世間の常識を自分の意見だと思い込んで、そこから外れた人を許さないと考える人が増えてしまったのはどうしてなのでしょうか。

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