「新学期の登校辛い子」にぜひ試してほしい3行動 「一人で我慢はダメ」精神科医が教える対処法

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あなたに起こったことや感じたことを、すべて伝える必要はありません。「言ってもいいこと」の欄が空っぽなら、クラスメイトに何も説明しなくていいんです。大切なのは、何を話すか、あなた自身が決めることです。

友だちに伝えるときに気をつけたいのは、作り話をしないことです。理由の説明もしたくないけれど、サボっているとも思われたくない、という苦しさもあるかもしれません。でもその場しのぎで適当な言いわけをするのはおすすめできません。

後で話のつじつまが合わなくなる

今は作り話で乗りきれたとしても、後できっと、話のつじつまが合わないことが出てきます。そうなると「うそをついた」と言われ、また嫌な思いをすることになりかねません。

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こうした事態を避けるためにも、言いたくないことは言わなくていいけれど、本当のことしか言ってはいけないんです。

準備をせずに話そうとすると、うまく伝えられなかったり言うつもりのなかったことまで言ってしまったりしがちです。まずは表をつくって「言ってもいいこと」「言いたくないこと」をきちんと整理してみましょう。

友だちに伝えることが、あなたが休んでいる「本当の理由」ではないように思える場合もあるでしょう。でも、それでいいんです。実は「本当の理由」は、あとからじんわりわかってくることが多いのですから。

短期でも長期でも、子どもが自分自身を守るためならば堂々と休むことができるよう、今こそ休むことを子どもたちの手に委ねるべきだと私は思っています。新学期に不安を抱えている子に寄り添うために、親子でよりよい休み方を考えてみませんか。

井上 祐紀 精神科医(子どものこころ専門医)

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いのうえ ゆうき / Yuki Inoue

1998年岐阜大学医学部卒業。2011年社会福祉法人日本心身障害児協会島田療育センターはちおうじ(診療科長)。2014年公益財団法人 十愛会 十愛病院(療育相談部長)。2015年社会福祉法人青い鳥横浜市南部地域療育センター(所長)。2019年東京慈恵会医科大学精神医学講座(准教授)などを経て、2021年福島県立矢吹病院(副院長)。著書に『10代から身につけたい ギリギリな自分を助ける方法』(KADOKAWA)など。

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