子供を「生きづらい大人」に育てない親の心構え 大事なのはわが子に「すぐ正解を教えない」こと
全国のセミナーで、あるお母さんに聞きました。
「子どもが帰宅して『授業中、暴れる子がいて、うるさくて授業できへんねん』と言ってきたら、どう答えますか?」
そのお母さんは、暴れる子のことを思っているつもりで、「『そんなん言うたらあかんで』と子どもに言います」との答え。
子どもにすぐ正解を教えてはいけない理由
これってよくある「思いやり……」という大人の正解ですよね。でも、まさに排除の論理なんです。私たち大空小学校の教師も最初はそうでした。「人を大切にする力」をつけるコツは、「親が正解を言わないこと」です。意外かもしれませんね。
親は(教師も)、正解を言わなければいけないと思っているものです。さっきの「そんなん言うたらあかんで」という言葉は、そんなこと言ってはいけません、という指示命令です。その裏には「あの子はかわいそうな子」という言葉がある。つまり、「あの子はあなたと違ってかわいそうな子、格下の子」という差別が生まれます。
「そんなん言うたらあかんで」のたった一言で、その価値観を植え付けてしまうのです。
「ねえねえ、その子って迷惑をかけようと思ってやってるの? それとも困ってるの? どっちなんやろうね」と問いかけてはどうでしょう。
ここから親子の対話が生まれます。
「そんなん言うたらあかんで」と言ってしまったら、そこで対話は終了です。「人に迷惑をかけてはいけない」という今までの教育は、これと同じことをやってきたんです。
知らず知らずのうちに子どもに、他者を排除していく価値観を植え付けていたことに、どうぞお母さん、お父さんたちは気づいてほしい。
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