子供を「生きづらい大人」に育てない親の心構え 大事なのはわが子に「すぐ正解を教えない」こと

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子どもに言うことを聞かせようとしているお母さん、お父さんは多いでしょう。言うことを聞かせようとするから子どもは納得せず、そっぽを向くんです。

反対に、言うことを聞かせようとすることをやめると、子どもは「ねえねえ」と勝手に寄ってきます。どういうことかというと、子どもが何を言っても、一言も口をはさまず、とにかく子どもの言うことを、「聞く」「受け止める」こと。これ、本当ですから、ぜひ家庭でやってみてください。

自分の言うことを聞いてくれそうだと思ったら、子どもが大人に寄ってくるのは当たり前なんです。

たとえば「今日、学校でAちゃんが暴れて大変だった。何とかしてー」と言ってきたら、まず、「ああ、そうなんだ」と受け止める。「そうなんだ」と一度受け止めただけで、「おお、聞いてくれた」と子どもは思います。

いったん受け止めることをせず、「そんなことを言っちゃダメでしょ」などといきなり正解を言ってしまったら、それで対話は終わってしまいます。

反抗的な息子が変わった瞬間

この話をあるお母さんにしたら、親子の関係性が変わり、対話が生まれたそうです。そのご家庭では、息子がゲームをやめず、「ゲームをやめなさい!」と毎日のようにケンカになっていました。

息子さんは、ゲームの話だけはよくお母さんにしていたそうです。でも、ゲームが嫌いなお母さんはゲームの話なんか聞きたくない。口を開けば、「いつまでやってるの!」「宿題は?」という小言や指示命令ばかりでした。

ある日、意を決して、子どものゲームの話を(我慢して)最後まで聞いたそうです。そうしたら、息子さんが「ねえねえ」と言って、面白い動画をお母さんに見せに来たそうです。その日、いつも反抗的な息子さんが素直に行動しはじめたのだとか。

そんなことは今まで一度もなかった、とお母さんはびっくり。子どもの話を受け止めただけで、親子の関係性が変わったんです。これで第1段階クリア! スタート地点に立ちました。

指示命令をし続けてきたそれまでの親子関係があるので、時間はかかるかもしれませんが、いつも子どもの言うことを受け止めることが日常的にできるようになったら、次の段階に行きましょう。

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