「新学期の登校辛い子」にぜひ試してほしい3行動 「一人で我慢はダメ」精神科医が教える対処法

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病気やけがをしているわけではないのに休む決断をするのは難しいものです。つらさを感じたときは、「心身のパワーが落ちたな」と感じはじめてからどのぐらいたつかを考えてみてください。1~2日なら、あと少しがんばってみるのもアリ。でも1~2週間以上続いているのなら、数日間の短い休みをとることを考えてみてもいいと思います。

自分を休ませる必要があると感じたときは、思いきって1日休むことをおすすめします。実際に休むと、ほとんどの人が「休まなければよかった」と後悔するでしょう。でも、休んだことは間違いではないんです。早めに休むことは、自分が深刻な事態に陥るのを防ぐ最良の方法だからです。

かぜをひいたときだって、「ちょっとのどが痛いかも」という段階なら、1日休めば元気になります。でもかぜをこじらせてしまうと、3日休んでもまだつらい!なんてことになりかねません。体も心も、休むタイミングが早いほど回復も早いんです。

「もう休むしかない」なんて状態になってからだとつらさも増すし、元気な自分をとり戻すまでに時間もかかります。その結果、長期欠席が必要になることも少なくありません。それよりは、「ちょっと疲れた」という段階で数日休んだほうがいいと思いませんか?

子どもにも「有給休暇」のような制度があるといい

会社で働く大人には「有給休暇」があります。有給休暇は自分の都合に合わせてとることができ、理由を問われることもありません。休んだからといって、給料を減らされたり評価を下げられたりすることもありません。

私は、子どもにもこのような休暇があればいいのに、と思っています。自分をリフレッシュさせるためだけに休むことが認められていれば、ちょっと疲れを感じたときなどに休みやすくなるはずだからです。

でも残念ながら、今のところ学校に「有給休暇」のような制度はありません。だから、病気やけがをしていないと「まだ休むのは早い」と思ってしまう。これではまるで、本格的に調子をくずすのを待っているようなものです。「疲れた」「休みたい」と感じるぐらいの「病気になる手前」で休むことができれば、すぐに元気になれることも多いのに……。

自分を休ませるためには、子どもが「自分で休みを決められる」ことが必要です。家族と相談して、例えば「各学期〇日までは、リフレッシュするために休んでいい」などの取り決めをしてみるのもいいかもしれません。「病気やけがをしていなければ、子どもは休んではいけない」という考え方を、そろそろかえてもいいのではないかな?と思っています。

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