工作機械の"アップルストア"に行ってみた これがDMG森精機のグローバル戦略拠点だ
東京・江東区。JR京葉線の潮見駅から歩いて数分、倉庫やマンションが建ち並ぶ一角に、一見すると場違いのような建物が姿を現した。全面がガラス張りになった外観は、さながら今年6月にオープンした表参道の「アップルストア」のようだ。
建物の内部も、アップルストア顔負けだ。地上2階分はある高い天井のロビーを抜けると、眼前に広がったのは部屋の両側にずらりと並んだ30台の箱型の機械。白と黒で統一されたスタイリッシュなデザインは、工作機械に対するイメージを覆すものだ。
この施設は、工作機械の国内大手メーカー、DMG森精機が7月18日に開設した「東京グローバルヘッドクォータ」。工作機械とは、自動車工場のエンジンやトランスミッションを生産するラインで必ず目にする設備である。鉄やアルミといった金属の塊を、あらかじめ設定したプログラムに従ってドリルが自動で削る。自動車など工業製品の部品を作るのには欠かせない機械だ。
工作機械のショールーム
総額56億円を投じて建てられたこの施設、一言で表現すれば“工作機械のショールーム”ということになる。購入を考えているメーカーの担当者らが、常時稼働する30台の機械でさまざまな加工を試すことができる。
約50名の「最も優秀なスーパーエンジニア」(DMG森精機の森雅彦社長)が、顧客が持ち込んだ加工図面を見て、プログラムを作り、工具を選び、加工条件を詰める。顧客のニーズに沿って、最適な機械を提案できる仕組みになっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら